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5 同僚の語る千葉恭

2024-01-25 10:00:00 | 賢治と一緒に暮らした男



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********************************** なお、以下は今回投稿分のテキスト形式版である。**************************
5 同僚の語る千葉恭
 なんと幸運にも、千葉恭と同じ職場に勤務したことがあるという方に会うことが出来た。その方は奇しくも同じ姓の千葉G氏という、大正7年生まれの方であった。千葉恭は明治39年生まれだから、大凡12歳年下の人である。
 そしてその千葉G氏は、千葉恭とは
・1回目は、昭和11~14年頃に穀物検査所黒沢尻出張所(この時千葉恭は副出張所長)で、
・2回目は、昭和29~31年頃に食糧管理事務所和賀支所(この時千葉恭は和賀支所長)で
2度にわたって一緒の職場だったという。
 千葉恭の人となりについて
 そして、同僚千葉G氏は千葉恭の人となりについて
・いい人だった。
・偉ぶらなかった。
・酒なども深酒などしなかった(あまり飲まなかった)。
・研究などが好きな人であった。
ということなどを教えてくれた。また千葉恭の写っている集合写真も見せくれた。このG氏が語る千葉恭の人となりにつては、この前会った千葉恭の三男F氏が
「優しい親父だった。殴られたこともない」
と語っていたことと符合すると思う。同じくその際にF氏が
「父は息子の私から見ても若い頃は今で言うイケメンだった」
と語っていたが、F氏のこの話と千葉G氏の話そして今まで見た何葉かの千葉恭の写真から、千葉恭という人物は外見だけでなくその中身も素敵だったに違いない、と私は思った。
 千葉恭の職場での様子
 また、千葉G氏からは
・宮澤賢治と一緒に居たというようなことを聞いたことがあ る。
・宮澤賢治に関してはよく喋っていた。
という証言も得た。
 この当時、つまり千葉恭の食糧管理事務所和賀支所長時代(昭和29~31年頃)といえば『イーハトーヴォ復刊2号』、『同5号』にそれぞれ「羅須地人協会時代の賢治」、「羅須地人協会時代の賢治(二)」を載せている頃である。もっと正確に言うと、千葉恭と同じ役所に勤めていた飯森という人物から請われて、昭和29年12月21日に『宮澤賢治の會』が主催した例会で千葉恭は「羅須地人協会時代の賢治」という演題で講演をした頃である。
 一方で、三男F氏にお会いした際にF氏は「父は賢治に関して語ることは少なかった」と語っていたが、千葉恭が和賀支所長の時代(千葉G氏が2回目に同じ職場に勤めていた頃)であれば、この講演の関係もあったのであろうか、彼は職場ではある程度賢治に関することを喋っていたということになろう。
******************************************************* 以上 *********************************************************
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 ある著名な賢治研究者が私(鈴木守)の研究に関して、私の性格がおかしい(偏屈という意味?)から、その研究結果を受け容れがたいと言っているという。まあ、人間的に至らない点が多々あるはずの私だからおかしいかも知れないが、研究内容やその結果と私の性格とは関係がないはずである。
 おかしいと仰るのであれば、そもそも、私の研究は基本的には「仮説検証型」研究ですから、たったこれだけで十分です。私の検証結果に対してこのような反例があると、たった一つの反例を突きつけていただけば、私は素直に引き下がります。間違っていましたと。
 一方で、私は自分の研究結果には多少自信がないわけでもない。それは、石井洋二郎氏が鳴らす、
 あらゆることを疑い、あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること
という警鐘、つまり研究の基本を常に心掛けているつもりだからである。そしてまたそれは自恃ともなっている。
 そして実際、従前の定説や通説に鑑みれば、荒唐無稽だと言われそうな私の研究結果について、入沢康夫氏や大内秀明氏そして森義真氏からの支持もあるので、なおさらにである。

【新刊案内】
 そのようなことも訴えたいと願って著したのが『このままでいいのですか 『校本宮澤賢治全集』の杜撰』(鈴木 守著、録繙堂出版、1,000円(税込み))

であり、その目次は下掲のとおりである。

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            〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守  ☎ 0198-24-9813
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