宣伝会議が主催するデジタルマーケティング・フォーラム2013に行ってきた。私の仕事上でのライフワークであるCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)に役立つと思ったからだ。
そのCRMとは関係なかったが、時間が余ったので「(新しいファンを獲得するための)パ・リーグのマーケティング戦略」というコースに出てみたところ、予想外(講師の方、御免なさい)に知識が得られて面白かった。
まず、パ・リーグ球団の一球団平均売り上げが年100億円でしかなく、主たる収入源は
スクール
スタジアムでの飲食収入
放映権
グッズ販売(ライセンス収入含む)
広告・スポンサー
チケット収入
で、広告スポンサーとチケット収入で2/3を占めるのだそうだ。
片や、セ・リーグのビジネスモデルはこれとは大きくことなり、スタジアムを自前で運営することはなく(確かに、東京ドームは巨人の持ち物ではないよね)、放映権収入に依存していたと言う。往年の巨人戦の放映権は1試合1億円程度であったとのことで、例えばヤクルト・スワローズ主催の巨人戦が年に12試合あったとすると、これだけで12億円の収入があったことになる。濡れ手に粟とまでは言わないけれども、これでは巨人オーナーの言いなりになるはずだと納得。
プロ野球のファン数は年々減少してきており、現時点でのファン数は約5500万人。うち、パ・リーグのファンは増加傾向にあり1800万人ほどだと言う。増加した理由は、福岡や札幌、仙台といった地方都市を拠点にするチームが増えたことと、各チーム並びにチームが出資して作ったマーケティング会社の地道な活動の成果のお蔭だろう。
1800万人のファンを3分類し、球団ファンクラブ会員というコアファン(42万人)、今季球場に来場したファン層(200~300万人)、ファンだが非来場者(1500万人)とセグメントした上で、
・球場来場者の来場回数を増やす
・非来場者ファンを来場させる
・興味ない人をファンにする
という戦略目標を立てた上で、色々な施策を打っているのだと言う。
このところ、プロ野球からめっきり遠ざかってしまった私に驚くような施策が紹介されました。例えば、
1. 女子高校生のファン化施策(ホークス)
我が家の娘を見るまでもなく、女子高校生とプロ野球とは決して親和性があるとは思えないのだが、「かわいい、楽しそう」を訴求ポイントとして、ユニホームをピンク色にしたり、化粧品をサンプリングとしてプレゼントすることで、ホークスは女子高校生を球場に呼び込むことに成功したのだとか。
2. K-POPとのコラボによるおばさん層のファン化(これまたホークス)
K-POPグループの超新星を招くことで、40・50代のおば様たちを球場に来させるという一種の反則技。来場者は試合前に超新星メンバーとハイタッチが出来るという特典があった上に、超新星メンバーを球場内の席に座らせて球場カメラで抜いてオーロラビジョンで写すことで、試合途中でもダレさせないという工夫までしたというのには脱帽です。
この他に、先着で人気選手フィギュアのプレゼントをしたり、親子層の開拓のために昔のユニフォームを着用にたレジェンドシリーズを開催したり、思いも寄らない色々なマーケティング施策をしていることを知りました。
日本のプロスポーツの世界が、顧客層をセグメントした上でターゲットを設定し、真っ当な(またまた御免なさい)マーケティングを行っているなんて予想だにせず、一種の感動すら覚えたセミナーでした。
それでも辛口コメントを言わせていただけるとするならば、このような立派なマーケティング活動をしているにも拘わらず、私が知らなかったということ自体がマーケティングの成果の広がりが不十分だと言わざるを得ないですね。昔は野球ファンであったのに、いつも間にか球場に行くことはおろか、テレビ放送でもプロ野球を視聴しなくなっているこの私をファンとして呼び戻せていないという厳然たる事実を見ると、彼らのマーケティングはまだまだ発展途上にある、と言ってしまうのは酷だろうか。でも、このような顧客を見据えたマーケティングが行われてきていること自体は、大変に嬉しいことでありました。
そのCRMとは関係なかったが、時間が余ったので「(新しいファンを獲得するための)パ・リーグのマーケティング戦略」というコースに出てみたところ、予想外(講師の方、御免なさい)に知識が得られて面白かった。
まず、パ・リーグ球団の一球団平均売り上げが年100億円でしかなく、主たる収入源は
スクール
スタジアムでの飲食収入
放映権
グッズ販売(ライセンス収入含む)
広告・スポンサー
チケット収入
で、広告スポンサーとチケット収入で2/3を占めるのだそうだ。
片や、セ・リーグのビジネスモデルはこれとは大きくことなり、スタジアムを自前で運営することはなく(確かに、東京ドームは巨人の持ち物ではないよね)、放映権収入に依存していたと言う。往年の巨人戦の放映権は1試合1億円程度であったとのことで、例えばヤクルト・スワローズ主催の巨人戦が年に12試合あったとすると、これだけで12億円の収入があったことになる。濡れ手に粟とまでは言わないけれども、これでは巨人オーナーの言いなりになるはずだと納得。
プロ野球のファン数は年々減少してきており、現時点でのファン数は約5500万人。うち、パ・リーグのファンは増加傾向にあり1800万人ほどだと言う。増加した理由は、福岡や札幌、仙台といった地方都市を拠点にするチームが増えたことと、各チーム並びにチームが出資して作ったマーケティング会社の地道な活動の成果のお蔭だろう。
1800万人のファンを3分類し、球団ファンクラブ会員というコアファン(42万人)、今季球場に来場したファン層(200~300万人)、ファンだが非来場者(1500万人)とセグメントした上で、
・球場来場者の来場回数を増やす
・非来場者ファンを来場させる
・興味ない人をファンにする
という戦略目標を立てた上で、色々な施策を打っているのだと言う。
このところ、プロ野球からめっきり遠ざかってしまった私に驚くような施策が紹介されました。例えば、
1. 女子高校生のファン化施策(ホークス)
我が家の娘を見るまでもなく、女子高校生とプロ野球とは決して親和性があるとは思えないのだが、「かわいい、楽しそう」を訴求ポイントとして、ユニホームをピンク色にしたり、化粧品をサンプリングとしてプレゼントすることで、ホークスは女子高校生を球場に呼び込むことに成功したのだとか。
2. K-POPとのコラボによるおばさん層のファン化(これまたホークス)
K-POPグループの超新星を招くことで、40・50代のおば様たちを球場に来させるという一種の反則技。来場者は試合前に超新星メンバーとハイタッチが出来るという特典があった上に、超新星メンバーを球場内の席に座らせて球場カメラで抜いてオーロラビジョンで写すことで、試合途中でもダレさせないという工夫までしたというのには脱帽です。
この他に、先着で人気選手フィギュアのプレゼントをしたり、親子層の開拓のために昔のユニフォームを着用にたレジェンドシリーズを開催したり、思いも寄らない色々なマーケティング施策をしていることを知りました。
日本のプロスポーツの世界が、顧客層をセグメントした上でターゲットを設定し、真っ当な(またまた御免なさい)マーケティングを行っているなんて予想だにせず、一種の感動すら覚えたセミナーでした。
それでも辛口コメントを言わせていただけるとするならば、このような立派なマーケティング活動をしているにも拘わらず、私が知らなかったということ自体がマーケティングの成果の広がりが不十分だと言わざるを得ないですね。昔は野球ファンであったのに、いつも間にか球場に行くことはおろか、テレビ放送でもプロ野球を視聴しなくなっているこの私をファンとして呼び戻せていないという厳然たる事実を見ると、彼らのマーケティングはまだまだ発展途上にある、と言ってしまうのは酷だろうか。でも、このような顧客を見据えたマーケティングが行われてきていること自体は、大変に嬉しいことでありました。