令和6年6月6日(木)
このブログに何回も登場している「鳥獣害」に関して、最近の状況をお伝えしたいと思います。被害が広がっているにもかかわらず、その対策が進んでいるようには思いません。何が課題なのか、考えてみたいと思います。
初夏を迎え、私の周囲では様々な作物ができはじめました。中には、秋以降の収穫に備えたサツマイモを植えるケースなどが見受けられます。
この時期に合わせて鳥獣害が増加し、地域住民からは不安の声が増えてきます。その声に応えるよう、県や市の行政機関にも相談し、行政のできること、住民のできることなどを検討し、行政にも研修会など開催していただくなど、官民連携で取り組む必要性と具体的な対策などについて広報してきました。
鳥獣被害の対象となる動物は種類も多く、鳥獣保護の観点から簡単に捕獲や殺処分などはできません。どの動物により被害が出ているのかを把握し、まずは行政に相談することが必要です。
被害に遭った住民からは、鳥獣保護やその対処方法について行政の関わりが強いと判断し、被害等の通告で、その後の対応は全て行政がやってくれると考えている住民は少なくありません。
実は、ここが対策が進まない原因の一つで、さらに踏み込んでみると、鳥獣害対策は捕獲や駆除が全てと思われていることから、住民が協力して実施すべき、加害獣を近くに寄せ付けないことや農作物などを防御(ネットや電気柵などの設置)について理解が進んでいないと考えられます。このこともあり、昨年は県農林事務所などに被害発生地区の住民を対象とした研修会を開催していただきましたが、集まった住民は少なかったといいます。
住民への呼びかけは町内会長にお願いし、被害に遭っていそうな住民に声をかけていただいたのですが、先の通りでした。
声が大きく、被害が深刻なのは、耕作者よりも住民です。周囲が畑であり、住民は耕作をしていなくても、宅地内に侵入し、餌になるものを物色し、その繰り返しが何年にも及ぶと、恐怖感を覚えてしまい、その訴えは私のところにも届いています。
残念ながら耕作者の声が直接、行政に届いていないことは残念に思います。先ほどの被害に遭った住民は、そこで生活している人の不安と比べ、耕作者は人ごとのように思い、行政に声を届けようとはしないとの不満も聞こえています。
鳥獣害は年々増加傾向にあると感じています。地域全体で考え、行動しないと被害がなくなりません。獣害対策を地域で取り組んでいるところから追い出された動物は、対策を講じていない地域に移動し被害を出している現状を、現在、被害に遭っている地域の皆さんにも知っていただきたいと思います。