鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

住民自治組織の活性化に向けて

2024年06月04日 | 議会活動
令和6年6月4日(火) 

 富士市まちづくり協議会連合会の総会が開催され、来賓として出席してきました。
 この組織は、概ね小学校区を範囲に行われる住民主体の地区まちづくり活動を、中心的に推進する住民自治組織を「まちづくり協議会」といいます。既に市内各地において「まちづくり協議会」が設置され、昨年、その連合体組織として連合会が誕生しました。
 しかし、単体での運営や活動にも様々な課題があるようで、市内にある同様の組織が連携して、諸課題の解決を目指し取り組んでいます。

 市の説明によれば、まちづくり協議会は、平成26年度に市内26地区に設立された、住民主体のまちづくり活動を中心的に進めていく組織です。
 それまで地区と行政との関係は、目的別に補助金が交付されるなど、「タテ割り」の関係でつながってきました。
 「タテ割り」は専門性を活かしたり、一つの目的に重点的に取り組んだりする際には有効なため、行政の所管課に合わせるように、地区の中にも目的別、事業別に様々な団体や推進委員などの役割ができ、「タテ割り」の活動が行われてきました。
 しかしながら一方では、せっかく活発な活動を行っていても、それぞれの団体が、お互いの活動内容を知らなかったり、同じ目的の事業をそれぞれの団体個別に行っているような、「タテ割り」の弊害も見受けられるようになってきました。
 昭和60年代前半に、各地区で設立された「まちづくり推進会議」は、地区団体や推進委員などの連絡調整の場としての役割を担ってきましたが、「まちづくり推進会議」の活動自体がイベントに偏重してきたため、団体が一堂に会する機会が少なく、「ヨコのつながり」が生まれにくい状況にありました。
 「まちづくり協議会」では、こうした「タテ割り」の弊害を解消して、地区で活動する団体や推進委員などの横断的な連携・協力体制を築くために「部会制」を導入しています。
 まちづくり協議会の設立により、今ある「タテ割り」の利点に部会制による「ヨコ」のつながりを加えて、「地域のことは地域で解決する」、より強い地域コミュニティづくりにつなげていくことを目指しています。

 これまでのまちづくり団体の課題を具体的に説明しており、この実現に期待がかかります。

 しかし、「まちづくり協議会」の在り方について、「住民自治」と言う言葉の意味をさらに深く考えると、地域の自主性を重んじ、地域が責任を持ってまちづくりを推進することになり、自主性については一定の理解があるものの、地域の責任については、行政の依存を期待する声もあり、そこまでの覚悟がまちまちで、今回の総会ではその課題について投げかけがありました。

 課題の一つは、まちづくりセンター(公民館)の自主運営と地域への一括交付金です。行政の出先機関であったまちづくりセンターを地域が法人化した組織などを立ち上げ、指定管理者制度などにより運営していくことの実現と、セットで市から一括交付金が受けられる仕組みがあります。
 自主運営している地域は現在2箇所、来年にはもう2箇所増える予定です。先導的に取り組んでいる地域からは、その苦労や課題などが聞こえてきます。それを聞いている他の地域では、ためらいがあるのが正直なところです。
 また、一括交付金は、その根拠について行政側に決定権があるようで、限られた予算の中での地域運営により、これまでの活動が抑制されてしまうと考えるところもあるようです。
 さらに、これまでまちづくりに中心的役割を果たしてきた、町内会やその他のまちづくり団体との役割などについても、調整に苦労しているようにも感じました。

 市の説明にあるように、「まちづくり協議会」は、平成26年以降に各地で組織化され、既に経験も積んでいるようにも感じますが、10年近く経った今、「住民自治」をうたって始まったはずが、本題に入ると様々な課題が生じていることに、市の取組に問題はなかったのか、市民への説明と理解が十分だったのか、連合会を通じて丁寧に説明し理解を求め、実現していくことが必要と感じました。
 また、その実現のために、自主運営のためのノウハウ、人材育成など、また運営上生じるであろう課題についてのサポート体制なども明らかにしていく必要があります。
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