平成24年6月9日(土)
<日本の茶道の源 径山寺>
径山寺は杭州市の郊外、山間地にある禅寺で唐の時代に初めて建立され、南宋時代に「五山十刹」の最高位となった古い名刹で、南宋時代の文化の象徴と言われています。
(径山寺入り口)
この度、径山寺を訪問し、寺の高僧から日本と径山寺、特にお茶に関わるお話をお聞きしました。
(日本との関わりについて説明いただいた径山寺の高僧と)
多いときには2,700名の僧侶がいたと言われ、日本からも約300名の僧侶がここで修業していました。これらの僧侶は日本に帰国後、精力的に布教活動を行い、朝廷から「国師」号が贈られました。
径山寺は、日本の仏教や茶、茶道の発祥や発展と非常につながりが深い所とされていました。ここで修行した静岡茶の始祖と伝えられている「聖一国師」は、中国の宋から持ち帰った茶の種を蒔き付けたとされています。
(聖一国師について説明された碑文)
(左側が、静岡出身の聖一国師像)
さらにその後、径山寺に修行に来た大応国師(別名:南浦紹明)も宋から帰朝の際、古くから「茶宴」と呼ばれる僧侶の茶道会で使われていた茶の道具一式を持ち帰って、中国茶の礼式を初めて日本に伝え、茶道の原型になったと言われています。その後も、日本の茶の栽培や茶道の発展に大きく貢献した栄西も、この径山寺に一時期滞在し、寺で作られた茶や道具を持ち帰り、広げていったと言われています。栄西は後に「喫茶養生記」を著しています。
径山周辺で作られた径山茶は、非常に深い緑色の細長い茶葉が特徴で、日本茶のような味わいがあると言われており、確かに、寺で入れていただいたお茶は、日本茶を飲んでいるようでした。
(「日本茶道の源」と記された看板)
(径山寺に至る山腹のお茶畑)
径山寺は今年の8月から大改修に入り、かつてあった現在の18倍ほどの面積規模となる寺に復元が始まります。
<世界文化遺産 西湖>
西湖は、2011年6月に世界文化遺産に登録されました。杭州市内にあり、大都会と隣り合わせの人工公園で、都会に隣接しているとは思えないほど、その存在感を表しています。
(西湖の風景は中郷を代表する風景)
(アーチ型の橋が至る所に架けられている)
元々は、周囲約15kmで水深約2mほどの湖でしたが、人工の島や対岸との間を結ぶ堤などをつくり、自然に溶け込んだ風景となっています。また、水質を一定に保つために、千島湖から清水を引き、約1ヶ月で湖の水を循環させることができるそうです。
中国十大風景名所の一つで杭州の名所であり、西湖十景に代表される名所、旧跡が点在します。北宋の詩人、蘇東波が春秋時代の美女、西施にたとえたことから西湖と呼ばれるようになったそうです。
西湖を一望できる雷峰山の頂上には、雷峰塔がそびえ、ここからの眺めはまさに世界文化遺産として納得できるものでした。
(雷峰山に建つ、雷峰塔入り口)
(雷峰塔から眺める西湖の遠景)
(雷峰塔から眺める西湖。水墨画のよう。)
昨夜の浙江省の夏宝龍省長との会見で、富士山のお話をさせていただいた際、省長から「西湖のすばらしさを是非堪能していくように」とのご意見に沿って、視察させていただきました。
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