製造ライン、うそ容認 不二家、詳細なお「調査中」(朝日新聞) - goo ニュース より一部抜粋(朝日新聞 2007.1.16)
食の安全を軽視した不正は、やはり「組織ぐるみ」だった。15日の記者会見で、製品の消費期限改ざんを工場関係者が広く知っていたことを認めた不二家。上司の指示で消費期限が切れた原料を使ったことも明るみに出た。
04年6月から06年10月にかけてプリンの消費期限を1日延ばして表示していたケースでは、工場長をはじめ、生産管理課長、製造課長、現場担当者ら関係者全員が、うその期限表示を容認していたという。
また、前回の会見では、埼玉工場製造の「シューロール」の細菌検出量は国の基準の10倍だったとしていたのに、実際は64倍。出荷量も当初の説明の6倍だった。
社内の食品衛生マニュアルの内容を問われても、品質管理の担当者が「手元に資料がないから、わからない」。「期限切れ原料の使用を指示した上司とは具体的にどんな役職なのか」とただされても「調べている」と答えるだけだった。
お粗末の一言といってもよい。「会社ぐるみだといわれても仕方ない」と社長は言うが、まさに「会社ぐるみで行っていました」と言うべきではないか。自分がその場にいれば、制止できたというのだろうか。社内告発が発端であるが、たった一度の“手違い”が知らされたというより、常態化していたものを、見るに見かねて訴えがあったと見るのがふつうだろう。
工場は、ISO9001を取得しておらず、14001を取得していたという。期限切れの材料を使ったり、消費期限の改ざんというのは、7.3、7.5で問うことができそうだ。しかしそれは表面的であって、ずさんな態勢がまかりとおっている企業体質こそ問題だ。
公表怠り、ずさん次々 不二家の原料期限切れ問題 より一部抜粋(朝日新聞 2007.1.15)
一連の問題の発端は、「(06年)11月7日消費期限の牛乳4ロット分を11月8日に使用した」との社内告発があったことだ。同社は11月中にこの事実を把握し、対策会議まで開いていた。
ここで幹部は二つの判断を誤った。
一つは公表を見送ったことだ。「公表すべきだ」と言う幹部はいなかったという。11日の1回目の記者会見での発表は、マスコミ報道に押されてのものだった。
同社はここ数年、少子化などの影響で業績不振が続き、昨年5月に発表した2カ年計画で、再建に取り組んでいるさなかだった。食品業界は、雪印乳業食中毒事件、牛肉偽装事件などで、速やかな情報公開が企業の生命線になることを学んでいたはずだった。
コンプライアンスの専門家は「速やかな公表は、会社の信用を維持し、損害の拡大防止とするための経営者の義務でもある。不二家は過去の教訓を生かせず、公表の重要性を認識していなかったのだろう。クリスマス商戦だったこともあったかもしれないが、判断が鈍いという印象だ」と指摘する。
社長が公表しようとしたのに周囲がそれを止めた、とは考えにくい。社長が誤った判断をしていても、それに異を唱えることなく、それを推進しようとしている者がいないか。疑問を述べるにしても、社長の意見に沿うことを前提としている中での、制止力に乏しいものであったのではないか。
「「公表すべきだ」という幹部はいなかった」ということは、組織にとって最大の弱点であると思わざるをえない。同族経営ということで、一族の言動は絶対だったのだろう。不二家の役員あるいは幹部であるということは、もはや汚点にすらなってしまったようでもある
食の安全を軽視した不正は、やはり「組織ぐるみ」だった。15日の記者会見で、製品の消費期限改ざんを工場関係者が広く知っていたことを認めた不二家。上司の指示で消費期限が切れた原料を使ったことも明るみに出た。
04年6月から06年10月にかけてプリンの消費期限を1日延ばして表示していたケースでは、工場長をはじめ、生産管理課長、製造課長、現場担当者ら関係者全員が、うその期限表示を容認していたという。
また、前回の会見では、埼玉工場製造の「シューロール」の細菌検出量は国の基準の10倍だったとしていたのに、実際は64倍。出荷量も当初の説明の6倍だった。
社内の食品衛生マニュアルの内容を問われても、品質管理の担当者が「手元に資料がないから、わからない」。「期限切れ原料の使用を指示した上司とは具体的にどんな役職なのか」とただされても「調べている」と答えるだけだった。
お粗末の一言といってもよい。「会社ぐるみだといわれても仕方ない」と社長は言うが、まさに「会社ぐるみで行っていました」と言うべきではないか。自分がその場にいれば、制止できたというのだろうか。社内告発が発端であるが、たった一度の“手違い”が知らされたというより、常態化していたものを、見るに見かねて訴えがあったと見るのがふつうだろう。
工場は、ISO9001を取得しておらず、14001を取得していたという。期限切れの材料を使ったり、消費期限の改ざんというのは、7.3、7.5で問うことができそうだ。しかしそれは表面的であって、ずさんな態勢がまかりとおっている企業体質こそ問題だ。
公表怠り、ずさん次々 不二家の原料期限切れ問題 より一部抜粋(朝日新聞 2007.1.15)
一連の問題の発端は、「(06年)11月7日消費期限の牛乳4ロット分を11月8日に使用した」との社内告発があったことだ。同社は11月中にこの事実を把握し、対策会議まで開いていた。
ここで幹部は二つの判断を誤った。
一つは公表を見送ったことだ。「公表すべきだ」と言う幹部はいなかったという。11日の1回目の記者会見での発表は、マスコミ報道に押されてのものだった。
同社はここ数年、少子化などの影響で業績不振が続き、昨年5月に発表した2カ年計画で、再建に取り組んでいるさなかだった。食品業界は、雪印乳業食中毒事件、牛肉偽装事件などで、速やかな情報公開が企業の生命線になることを学んでいたはずだった。
コンプライアンスの専門家は「速やかな公表は、会社の信用を維持し、損害の拡大防止とするための経営者の義務でもある。不二家は過去の教訓を生かせず、公表の重要性を認識していなかったのだろう。クリスマス商戦だったこともあったかもしれないが、判断が鈍いという印象だ」と指摘する。
社長が公表しようとしたのに周囲がそれを止めた、とは考えにくい。社長が誤った判断をしていても、それに異を唱えることなく、それを推進しようとしている者がいないか。疑問を述べるにしても、社長の意見に沿うことを前提としている中での、制止力に乏しいものであったのではないか。
「「公表すべきだ」という幹部はいなかった」ということは、組織にとって最大の弱点であると思わざるをえない。同族経営ということで、一族の言動は絶対だったのだろう。不二家の役員あるいは幹部であるということは、もはや汚点にすらなってしまったようでもある
林林太郎社長は「事態収拾まで」3カ月程度続投し、信頼回復や安全管理の徹底に陣頭指揮を執る考えだが、「今の企業体質を作った張本人が『改革』と言っても誰も信用しない」(関係者)との声が出ている。
関係者の間では次期社長について、不二家外から登用することが有力案として検討されている。(以上、転載)
いくら遠からず身を引くといっても、最重要機密を知っているといっても、基本的体質や遺伝子を残されることこそ、一番再建から遠のくことになる。後釜に「最も可愛がった側近」など置かれることが、本当に不二家の息の根を止めてしまうことにもなるだろう。
謝罪が済んだら、荷物をまとめてもらうしかない。当然、暴走を止められなかった役員も同様だ。