新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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ヤマグルマ:山車(変わった木の変わった花)

2009-05-04 06:48:02 | 植物観察1日1題

葉が枝先に車輪状につくことからこの名前があるヤマグルマ:山車(ヤマグルマ科ヤマグルマ属)
が黄緑色のかわった花をつけています。
花序は総状で、1つの花序に10~30個の花をつけます。花には花弁も萼もなく、車輪状に並んだ5~10個の雌蕊に廻りに、多数の雄蕊が多数つき、雌蕊は側面で合着しています。
花だけではなく、ヤマグルマそのものが、被子植物でありながら、導管を持たず仮導管だけで水分を運ぶ無導管植物として知られています。
通常被子植物は、機械的に体を支える繊維と、細胞の上下の両端が大きく口を開いていて、縦にいくつも連なり、水や水に溶けた成分が通る導管を持っていますが、イチョウ、ソテツ、針葉樹など球果植物など裸子植物は、両者を突き混ぜたような構造の仮導管で2つの仕事を行っています。裸子植物はこの分業が行われない状態のまま進化が足踏みしていると見られています。
被子植物でありながら木部が仮導管だけでできている植物にはヤマグルマのほかにセンリョウなどもあります。いずれも木の内部だけではなく、花も進化の途中で止まったような変わった形をしています。