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街角で珍しいものを見ました。キョウチクトウ:夾竹桃(キョウチクトウ科キョウチクトウ属)の果実です。
キョウチクトウは初夏から秋口まで赤、白、ピンクの花をつける代表的な夏の花木ですが、適切な花粉媒介者がいなかったり(*)、多くは挿し木で繁殖したクローンだったりして、わが国では、受粉が成功して果実が実ることはほとんどないといわれています。
そのごくまれに実る果実は、細長い角状で、熟すと縦に割れ、種子が出てきます。種子は赤褐色の短毛が密生し、長い冠毛があります。
キョウチクトウの花と果実に似た植物を思い出しました。テイカカズラです。図鑑を見ると案の定テイカカズラはキョウチクトウ科でした。
(*)キョウチクトウ科の特徴として、花びらが回旋状にねじれています。花びらの中にあるレースのような飾りは、花びらの一部が変形した副花冠といわれるものです。よく見るとその中心部に毛糸の帽子のようなものが見えます。5本の雄蕊の先からのびた糸状の付属物が絡み合ったものです。原産地ではこの帽子をかいくぐって花粉を運ぶ昆虫がいるそうですが、日本にはいないので結実しにくいといいます。こうなると何のための綿帽子か分からなくなります。(07年8月23日記事より)