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簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

最果ての終着駅 (JR乗り潰しの旅)

2013-11-06 | Weblog

 深い山の中を走ってきた列車が再び海岸に出て、右手に海が見えてきた。
久しぶりに車窓から三厩湾の海が見えた。
なんだか懐かしい人に巡り合えたようだ。しかし、そんな感慨に浸っている
間もなく、列車は再び山に向き、暫く進むとその先が「津軽線」の終着駅・
三厩だ。



 以前は「みうまや」と読んでいたが、平成3年に「みんまや」とその読みが
改められた。
ここは義経伝説の残る地で、奥州平泉で自刃したとされる義経主従がそこ
を脱出、蝦夷地に逃れる出発地となった所と伝えられている。





 三頭の竜馬を得て、その駒をつないだとされる厩石が残されていて、それ
がこの地の名前の起こりとされている。



 改札の上には、一日5往復の列車の時刻が、随分と大きな字で書かれ、
掲げられていた。小さな駅である。



 こじんまりとかわいくて、なんだかモダンな感じの駅は、津軽半島の最北
端の駅でもある。冬の寒さが厳しいとこらしく、待合室の真ん中には、石油
ストーブが据えられている。



 件のご婦人の連れは、一つ手前の津軽浜名で降りて行った。
途中の停車駅では人の乗り降りはほとんど無く、結局この駅に降り立った
のは、たったの三人だけだった。



 もう一人は観光客で、熱海に家が有り、市場で働いていたと言う青年(?)
で、釣竿片手に気ままな一人旅の様子だ。
 その三人で、駅前広場に停まっていた冬季は運休すると言う町営バスに
乗り込んだ。(続)





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ローカル線と新幹線 (JR乗り潰しの旅)

2013-11-04 | Weblog
 蟹田駅のホームで、「寒いので、早く乗せてくれればいいのにね」などと言
いあって、20分ほど待った「津軽線」の普通列車に乗り込んだ。
キハ40形1両のワンマンカーだ。乗客は数えるほどしかいない。



 乗る前に「どっちが景色良いの」と、あのご婦人方に尋ねると、「海は見え
ないよ、山の中を行くから・・・」と言うので、意外に思い地図で確認してみる
と、蟹田を出ると線路はすぐに海を外れ、内陸部を終点の三厩までショート
カットしていることが解る。





 一日5往復しか走らないローカル線には違いないが、中小国から分かれる
ものの「海峡線」とは青函トンネルに入るまでほぼ併走している。
そのルートが丁度建設中の北海道新幹線ともほぼ一致しているため、車窓
からは、山深い景色の中に時々新線の建設現場が現れたりして、ローカル
線なのに、らしからぬ風景を見せてくれる。



 周りに山が迫り人家もまばらな地に、突然大きな工事現場が現れる。
津軽二股駅である。



 ここは「海峡線」の津軽今別駅とは目と鼻の先で、直線距離にしても数百
メートルと離れていない。
丁度この辺りに本州最後の新幹線駅・奥津軽駅(仮称)が出来るのだ。



 駅前の豊かな緑が削られて、赤土の剥き出しになった大地の上には、巨
大な駅舎と高架がその姿を現しつつある。
「新幹線が出来たら・・この線はどうなるのかねぇ・・」と、話すご婦人方の
心配をよそに、建設工事は今、佳境に入っている。(続)






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蟹田の駅(JR乗り潰しの旅)

2013-11-01 | Weblog
 青森から1時間ほどで終着駅の蟹田に到着した。
「この電車で青森まで戻るのだよ・・」と念を押し、列車を降りようとすると、
80歳も半ばだと言うおばあちゃんは、手提袋の中を何やらゴソゴソとまさ
ぐっていたかと思うと、やおら白いトレイに乗ったお菓子のようなものを取
り出し、差し出してきた。



 どうやら、お礼のつもりらしい。
「気持ちだけで・・」と押し返し、三厩まで行くと言う二人のご婦人と連れだっ
てホームに降りると、小さな体をひねりながら、何時までも手を振って見送
ってくれた。





 降り立った蟹田のホームに、「蟹田ってのは 風の町だね」と刻まれた碑が
建っている。津軽出身の作家・太宰治がこの地を旅し、「前日の西風が親友
N君の家の戸障子をゆすぶっていた」情景を小説「津軽」に書き残した言葉だ。
 その碑の裏を見ると「北緯41° ニューヨーク・ローマ と結ぶ町 かにた」と
書かれている。



 ここは「津軽海峡線」特急の停車駅でもある。
が、そんな華々しい印象はどこからも感じられない。駅ににぎわいは無く、
長いホーム以外は、むしろ寂ししいローカル駅風の趣だ。



 駅に、観光案内所が有るわけでも無いが、「観光カニスマ駅長 津軽蟹
夫」と書かれたパネルだけが置かれているのがなんだか余計に寂しく感
じられる。 これは4月から5月にかけて水揚げされる特産のトゲクリカニに
因むものらしい。



 この時期の奥津軽は寒い日も多いようだ。
この日、日差しは灰色の雲に遮られ、冷たい風がホームを吹き抜けていて、
半袖の身には肌寒いほどだった。(続)

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