簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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草津名物「はこずし」(東海道歩き旅・近江の国)

2024-04-22 | Weblog

 昼には少し早いが、ここを逃がして喰いそびれるのも嫌で、何所か手
頃な店を、と捜しながら歩いて来たら、「草津名物 はこずし」と書か
れた幟旗を掲げた店に出会した。

 草津宿本陣からは幾らも歩かない場所に有り、「老舗 寿司清」の看
板が掲げられている。



 躊躇わず暖簾を分けて入ると、昼の営業時間が始まったばかりの11時
を少し過ぎた頃なのに先客が一組いた。草津では評判の有名店らしい。
店内の左側にカウンター席が数席あり、右側はテーブル席と小さな個室、
二階には広間もあるようだ。



 創業から80年を誇る老舗の寿司屋で、「全国すし技術コンクール」で
金賞を受賞した店主が切り盛りしている。
夜は兎も角、昼はランチのセットメニーを取りそろえているので、気軽
に利用できる店のようだ。



 この店の「はこずし」は、関西特有の押しずしから来ているそうだ。
押し寿司はバッテラや箱寿司の総称で、はこずしは京都吉田神社の「鈴
鹿家のこけら寿司」からきているらしい。

 この店のものは、京都祇園祭で有名な「鱧ずし」を、何とか安価に提
供出来ないか、創業者が苦心の末開発し、昭和12(1937)年頃から始め
たものと言う。



 鱧は骨切りにして、独自のタレを付け焼き上げ、皮を剥ぐ。
型枠に御飯を詰め、そこにこのつぶした鱧を乗せて、型枠で押し抜き、
一口大に切り分けたものにタレを塗り、炙った芥子の実を振りかけ提
供される。



 一見すると穴子のようだが食感はまるで違い、鱧は口当たりも良く淡
泊で、甘辛いタレと共に口の中でとろけていく。
添えられたガリも、自家製であろうか、甘酸っぱくて美味しかった。
評判通りの店である。(続)





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