簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

下津井(下津井電鉄廃線跡を歩く)

2018-11-07 | Weblog

 岡山県倉敷市の南部、瀬戸内海に面し小高い山々を連ねた児島半島の南部に
位置する下津井は、昔からの湊町である。
天然の良港は古くから「風待ち、潮待ちの湊」として、また江戸から明治にか
けては、北前船が寄港地する商湊としての役割を果たすようになる。
更に四国金刀比羅宮と瑜伽山蓮台寺の両参りがブームとなると、参詣道の渡し
舟乗り場としても賑わうことになる。





 ここは古くから瀬戸内海の抑えとして砦や城が築かれた地で、江戸時代には
岡山藩の領地となると、背後の標高89mの山に下津井城が整備され、城下町と
しても賑わいを見せるようになる。
そんな町中には、綿や塩を扱う商家や廻船問屋が建ち並び、出入りする舟や、
行き交う人々を目当てにして遊郭が軒を連ね大層な賑わいを見せたという。
今でも当時の面影を見せる、狭い通りの町並みがここには残されている。





 近年周辺の道路が整備され、大型の遊園地や観光ホテルなどが開業し、更に
四国に向けて瀬戸大橋が架橋されると、風光明媚な瀬戸内海国立公園の一角を
担う観光地として一躍脚光を浴びるようになる。





 その反面、湊としては四国連絡の機能は失われてしまった。
しかし昔からの漁業の町でも有り、豊富な海の幸に恵まれた瀬戸内海を目の前に
した漁港としては今なお健在である。
特にこの地で水揚げされるタコは、「下津井ダコ」として全国的に知られている。
潮流の速い下津井沖で育つこのマダコは、一年の内でも秋から冬にとれるものが
「寒ダコ」と呼ばれ、よく身が締まり甘くて美味しいという。(続)

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