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簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

朝の出来事(高千穂ドライブ旅)

2017-08-25 | Weblog


 廊下を行き来する騒々しい足音と、話し声に目が覚めた。
時計を見るとまだ5時前である。
何かしきりに叫んでいるようだが、その会話の内容までは聞き取れない。
古い和風建築の廊下を、慌ただしく行き来する何人かの足音が高く、賑やかで、煩
いことこの上もない。どうやら宿を早立ちする男女のグループらしい。



 喧騒は10分ほどで収まったが、その後再び眠りにつくことも叶わず、そのまま布
団の中でゴロゴロと過ごし、朝食の時間を迎えた。
高千穂神社近くの和風旅館に宿を取った、翌朝の出来事である。


 
 「騒がしかったでしょ~、申し訳ありません」
朝食の準備しながら女将さんが、代わりに詫びを入れてくれた。
聞けば国見ケ岳に、歩いて登る熟年男女の登山グループだと言う。



 メンバーの内の誰かが寝過ぎたらしく、出発が遅れ、慌てていたらしい。
昨夜は、賑やかに宿入りした後、一部屋に集まり酒盛りでもしていたのか、遅くま
で騒いでいたあのグループであろうが、他人迷惑な話である。
「近頃の若者は・・・」などと批判的に聞くことも多いが、「近頃の、ジジババは・・・」
決してマナーが良いものだけでもないようだ。



 食事処で同席した、一人旅の男性と話が弾んだ。
「昨日、行ってきましたよ。曇っていたけど、視界は悪くなくって、最高でした」と言う。
女将さんが「歩いて・・?」と問うと「いや、奮発してタクシーで」と件の男性。
返す刀で「行かれましたか?」と私に聞いてきた。



 慌てて「いや、今日これから行くつもりで・・・」と話を合わせたものの、実は今日の
予定はまだ何も決めてはいなかった。(続)



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