途中「戊辰役東軍戦死者埋骨地」の墓石を見ながら、古い町並みの中で
なんだか曰くの有りそうな五番橋と書かれた、石の欄干の有る橋を渡ると、
街道の民家の前に、「納所村道路元標」と書かれた石柱が建っていた。
近くには船着き場の後を示す「唐人雁木旧跡」の碑も建てられている。
鳥羽街道の終点、淀の納所の町に入って来た。
六差路の広い交差点である。
左に行けば、淀の競馬場が有る筈だ。
ここは納所と書いて「のうそ」と読む、中々に難しい地名であるが、まさに
読んで字の如く、その昔水揚げされ、平安京へ運ぶ様々な物資を「納」める
倉庫が立ち並んでいた「所」だそうだ。そしてここは淀城の城下町でもあった。
交差点を背に、八幡の町に向け暫く歩くと、左手に淀城址公園の緑濃い
森が見えて来る。
二代将軍・徳川秀忠の命により築かれた城らしく、鬱蒼とした森の中に、
石垣やお堀が残されている。
この途中の道路脇には、「淀川瀬水車旧跡」も建てられていて、この付近
には大きな水車が有り、昔は淀川の水を淀城の泉水に引いていたらしい。
城跡には、淀の産土神を祀る「與杼神社」も有るようで、歴史的なスポット
も多く、立ち寄りたいところではあるが、ゆっくりも出来ず、横目で睨みなが
ら先を急ぐことにする。
京阪電車の車両基地を見ながら、国道478号線を潜ると、道は左にカーブ
しながらゆっくりと宇治川の堤防へと登って行く。
やがてその正面には、どっかと居座る八幡の男山が迫って来る。(続)
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