簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

鳥羽の大石(四国遍路の旅・高野山編)

2015-10-05 | Weblog
 旧鳥羽街道は、鴨川の左岸に固められた堤防の上に築かれたものだと
言うが、そのことは歩いてみると成程と実感できて面白い。



 街道の西側には鴨川が迫り、その僅かの隙間に家並みが続いている。
東側は少し下っていて、街道沿いの家並みは、道路よりも一段と低いところ
に建てられている。
更にこの地は緩やかな傾斜で下り、そんな底のようなところを南北に国道1
号線が貫いている。



 丹波橋通り辺りで東を望むと、そのことは良く解る。
緩く下ったところに車の往来の激しい国道が流れ、その遥か先、こちらから
だと丁度同じような目線の位置の、小高い丘の上に伏見桃山城の雄姿を望
むことが出来る。



 旧街道はその先で大きく曲がり、鴨川により近づく辺りに「月の桂」醸造元
の増田徳兵衛商店の黒瓦葺・白壁の大きな建物が、街道に溶け込んで良い
雰囲気で建っている。1675年の創業と言う造り酒屋である。



 この先で千本通りは堤防に突き当たる。
鴨川と西高瀬側は丁度この辺りで合流していて、昔はこの辺りに鳥羽の港
が有ったと伝えられている。
そんな河川敷に下りてみると、河原に綺麗に切り刻まれた大きな石が無造
作に置かれているのが目に入ってくる。



 近くに建てられた説明板によると、二条城の石垣修理に使われるはずの
大石らしく、瀬戸内の石切り場からはるばる運ばれ、この鳥羽の港で陸揚
げされるものが何らかのトラブルで川底に沈み、今に残されたものだと言う。
何百年もの間静かに川底に有った物が、市民の手により引き上げられたの
だとか。(続)






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