弥彦の駅舎は、彌彦神社の本殿を模した神社風の入母屋造りで、黒い本瓦葺き、
白い壁に朱塗りの格子状の柱が印象的な建物である。
駅舎内部も意外に広く造られていて、白壁に格子天井が神社の拝殿内部を思わ
す造りとなっている。
駅前広場には、大きな常夜灯や神社参拝の手水舎などが造られていて、ここにも
門前町の駅と言う味が有り、なかなかに面白い。
駅前の一角には廃業したホテル跡も残されたままで、往時は多く訪れる参詣者を
捌いていたのであろう、かつての賑わいが思い浮かぶ。
広場右手に、観光案内所があり尋ねれば弥彦観光駅長の顔写真入りの「来駅証」
が貰えるので立ち寄ってみるのも良いだろう。
この観光駅長は国鉄民営化に伴い昭和63年に初めて女性が任命され、以後何代
も続けられていたようだが、近年に成ってその制度が終了したためそれを受け、地元
の観光協会の女性職員が観光駅長を兼務し、活動しているとのことである。
降り立った駅前の広場には、紅白の提燈が飾られていた。
駅前から続く街並みの人家の軒先には、白い大きな提燈も吊り下げられている。
今晩取った駅前の温泉旅館の玄関先にも紫の幕が張り巡らされ、「弥彦灯籠まつり」
「御祭礼」と書かれた提燈が掛けられていた。
フロントで聞くと、今は「弥彦灯籠まつり」の開催中で、今日の夕方にはお神輿の
巡行が有り、夜には花火が打ち上げられると言う。(続)
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