簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

人吉の町 (JR乗り潰しの旅)

2012-04-30 | Weblog


 次の列車まで、1時間程の待ち時間があるので少し町を歩いて見る。
駅広場に建つ“からくり時計”の脇を抜け、駅前の通りを真っ直ぐに進むと、球磨川に
架かる人吉橋に行き当たる。辺りはすっぽりと濃い川霧に包まれて、なにも見えない。



 橋から戻り、広い通りを左に折れた辺りにそれは有る。
赤い禊橋を渡り、赤い鳥居を潜りながら階段を登り、鶏が放し飼いされた境内に入ると、
大きく立派な茅葺屋根を持った楼門が聳え、それを潜ると正面にも茅葺屋根の拝殿が
控えている。これらの建物は慶長年間に造営されたものらしい。



“青井阿蘇神社”地元では「青井さん」と呼ばれ親しまれている神社で、その歴史も古く、
桃山風の建築様式を今に伝える本殿など5棟の建造物が国宝に指定されている。



 駅に戻る道すがら、“いきなり団子”の幟旗を見付け、お菓子屋さんに飛び込んだ。
“いきなり団子”は、輪切りにしたサツマイモの上に小豆餡を乗せ、小麦粉を練った
生地で包み、蒸かしたもので熊本県の代表的な郷土菓子である。



 決して見栄えは良いとは言えない、雪だるまを押しつぶしたような形をしている。
アツアツを頬張ると、先ずサツマイモの素朴な食感がして、もうひと口かぶるとサツマイモ
と餡の相性も良く、イモと餡の甘さが口の中一杯に広がる。
懐かしい“おふくろ”の味と言った、素朴なお菓子である。



 人吉は温泉の町でもある。
町中には立ち寄りの出来る人吉温泉の施設が沢山あるらしく、駅の前にもそんな湯処が
ある。(続)


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