簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

川線を行く (JR乗り潰しの旅)

2012-04-27 | Weblog
 思いがけず冷え込んだ寒い日の朝8時前、“肥薩線0起点”の表示の有る八代駅の
ホームに、意外な漆色をした列車が入線してきた。
「アレッ」と思ったが、どうやらこれが乗車予定の普通列車のようだ。





 肥薩線・川線旅の始まりである。
定刻駅を出るとすぐ右手に球磨川の急流が近づき、暫くの間車窓の友となる。
列車は川を遡るように次第に山間部に入りこみ、スピードが少し落ちたような気がする。



 沿線の途中駅、坂本、白石には、「百年駅」と書かれた看板のかかる当時の面影を
残す古い駅舎が残されている。昨夜乗った特急が、鹿と衝突したのはこの辺りらしい。



 球泉洞では、地元のご婦人方であろうか、ホームや駅舎の掃除をしていた。
こうして、沿線の施設は地元の人たちに愛され、守られているようだ。
 列車が出発すると、作業の手を止めて、一様に皆頭を下げて見送ってくれる。



 ここを出る辺りから球磨川の幅はより狭く、谷はより深く成り、流れも早く成る。
川では、川下りの遊覧やラフティングなどのアウトドアスポーツが賑わうと言う。

 車窓に茶畑が目立つように成ると、市街地が広がり、終点の人吉に到着する。
列車を降りると盆地の町は乳色をした霧に、すっぽりと包まれていた。



 到着した列車は車内清掃の後再び入線し、10時08分発の観光列車“いさぶろう号”
として吉松に向かう。
夜間熊本のセンターに留置されていた列車は、こうして八代~人吉間の球磨川に沿った
肥薩線の“川線”と呼ばれる区間を、普通列車として人吉まで運転されてきたのだ。(続)


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