スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

第48回・桜井市夏季大学へ <上>

2009-08-24 22:49:19 | 出来事

昨日は、大神神社・大礼記念館で催された『桜井市夏季大学』を受講してきた。
初めての参加である。いつもは終わった後で知るか、予定合わずに見送っていたのである。<o:p></o:p>

昭和37年に第1回がスタート、今回で48回目。毎回230名を限度に催されているらしい。
参加費2,000円、昼食代込みで1日、勉強させてもらえる。タップリ時間のある我が身としては、ありがたい。



さて今回は、平城遷都1300年記念として催され、その内容は、
①『お伊勢参りと西国巡礼』~寺社参詣の文化・社会史をさぐる~ 三重大学名誉教授 酒井 一 氏
②『龍馬をめぐる人々』 霊山歴史館学芸課長 木村幸比古 氏
③『三輪山の神々』~三つ鳥居の謎~ 西四国考古学研究所代表 清水眞一 氏
3人の先生による話。それぞれ興味ある内容に、なんと経つ時間の早いことよ・・・。



詳細内容は紹介できないが、まず、酒井先生の『お伊勢参りと西国巡礼』。
 
♪♪ ・・・アーララーコレワイセー  ソリャヨーイトコセー
何と、伊勢音頭が流れてきました。これから
スタートです。この音頭、昔、秋祭りで聞いたことがあって、懐かしいメロディだ。

江戸時代は旅をする人が多かった。この理由は、江戸幕府が続いた時代には戦(イクサ)が無かったからで、安心して旅ができたのだ。
柳田国男は『旅は学問のうち』で旅の効用を述べている。「新しい知識を拾い、教養を受けて、還ってそれを村の人々に分配した」と・・・。

お伊勢参りと西国巡礼はセットとされ、だいたい100日間の旅にでるのだ。手紙は事前に指定宿に届き、各地の土産物は自宅まで届けられるという、郵便や宅急便システムが作られていたのである。
ケンペルの『江戸参府日記』では外国人からの感性で記されている。
井原西鶴の『西鶴織留』に「諸国の人を見るは伊勢」とあり、十辺舎一九の『東海道中膝栗毛』にも・・・。
いずれも、旅先での食べ物が記されていて、伊勢音頭も覚えて持ち帰り、みやげ話とともに伝えられた。
日本の旅日記が凄い! 道中行程案内は実に多彩、宿と行程、注意事項まで記されている。
往時の宿帳、巡礼案内記などが映し出され、説明されていた。

旅に学び、旅に生きる人たちの伝えるもの。そして広がる他国(他郷)の体験による成長が窺い知れる内容であった。<o:p></o:p>


軽い大阪弁と時々出る軽いジョーク・・・。オモロイですなぁ! あっと言う間の1時間40分だった。


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次の木村幸比古氏による『龍馬をめぐる人々』。
オープニングは、龍馬を紹介する8分間のDVD上映。

木村先生は、
幕末維新史研究の第一人者で、全国唯一の幕末・明治維新の専門歴史博物館である『霊山歴史館』におられ、NHK大河ドラマ「篤姫」人気もあって入館者も増えたとか。さらに来年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』にも携わっておられるとか・・。

まずは、龍馬の家族紹介。坂本家の次男として生まれ、父は養子で身分は郷土格で下士と呼ばれる下級武士。
祖父・父・兄とも御廟所番として墓所管理。姉の三女・乙女が母親病死後、龍馬の教育をしたのだ。武士は武士らしく、町人は町人らしく・・の「らしく」を身に付けさせたのだ。

乙女姉さんは、龍馬を日根野道場に通わせ武道教育で鍛えた。ここは小栗流の柔術で、今で言う「総合格闘」のようだったとか。「叱る教育」で徹底的に「刷り込み、刻み込み」の武道教育で鍛えた。「努力は天才に勝る」ことを得とくさせたのだ。

龍馬は人材づくりの天才であった。耳目の学で各地を飛び回った。その行動力は「飛耳長目」で、耳を飛ばし情報を集め、長い目で物事を思索するのである。
佐久間象山、勝海舟、河田小龍、横井小楠、由利公正、高杉晋作などから色んな戦略・知識を貪欲に吸収した。そして学んだことは即実行する。実学主義と人は平等であるという自由主義をめざした。
志が高ければ同志が集まり、事業も成功する。
霊山歴史館を建てるに至った故松下幸之助氏の遺訓を随所に散りばめながら話され、幸之助公と龍馬がダブってくる。

日本企業の素晴らしさを表わす一つとして、創業年数があるという。
100年以上の企業数で日本は、21,066社。
200年以上では、日本は3,000社、アメリカは14社、中国は9社、インドは3社なのだ。日本は永命力があるのだ。
ITの導入で、3年かかることが1年で出来、10年を2年で・・・となるといわれる。では、残った8年を次の策を考えることが伸びる企業なんだと・・・・。

木村氏と幸之助公とのかかわりの体験談の中からも、事業が世のためになっているか、そのためには人の資質が大切であると・・・これは龍馬の考えとも相通ずるものがある・・・と。

来年の大河ドラマ・・・これは見応えありそうだ。期待したい。

<次の清水先生の『三輪山の神々』については、後日へ・・・。>