いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

映画「天地明察」!

2012年09月19日 09時27分44秒 | 兎に角書きたいの!
 今朝、整数論の代表的難問で、解決に約350年かかった「フェルマーーの最終定理」を一気に証明してしまう「ABC予想」を証明する論文が望月新一京都大学教授(43)によって発表された。欧米メディアは「驚異的な偉業になるだろう」と評されている。

 昨日、「天地明察」の映画を鑑賞してきた。『おくりびと』で米国アカデミー賞外国語映画賞を獲得した滝田洋二郎監督による作品である。

 2010年本屋大賞第1位に輝い冲方丁(うぶかたとう)の小説「天地明察」を映画化したものである。太陽や星を測り、日本で初めての暦作りに挑戦した実在の人物・安井算哲(後の渋川春海)の物語である。

 作品は重厚で自然に引き釣り込まれていく描写に監督の感性の豊かさが思う存分に表現されている。800年にわたり使われていた中国の暦が数日ずれ始めたことに端を発して日本の暦を作ることにしたが、星や太陽を観測するなど途方もない労力と知識が必要とされた。天才和算家・関孝和、囲碁会の界の革命児・本因坊道策などの物語の流れは見どころである。

 暦を作るに当たって、和算家関孝和の証明問題に関わる安井算哲、証明するにあたってのソロバンの活躍などの探究心に心が惹かれた。日本人はコツコツと経済的利益の追究ではなく心、真理の追究にまっしぐらの姿勢を見て日本人て立派だな~、純真だなぁ~と妙に中国での若者のデモ風景が思い浮かんだ。

 今朝の「ABS予想」の論文が発表されたと聴き、昨日鑑賞した「天地明察」は時期を得た作品であると感じた。いずれも真実の「証明」を命題としたものだから。

 「天地明察」は文庫本として角川書店から上下2冊が発行されている。心に残る映画に出逢いお薦めしたい映画である。
             
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする