いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

最低にして最高の道

2009年12月03日 08時07分01秒 | 心に留めた言葉
 もう止さう。
 ちひさな利欲とちひさな不平と、
 ちひさなぐちとちいひさな怒りと、
 さういふうるさいけちなものは、
 ああ、きれいにもう止さう。
 わたし事のいざこざに
 見にくい皺を縦によせて
 この世を地獄に住むのは止さう。
 こそこそと裏から裏へ
 うす汚い企みをやるのは止さう。
 この世の抜駆けはもう止さう。
 さういふ事はともかく忘れて
 みんなと一緒に大きく生きよう。
 見えもかけ値もない裸のこころで
 らくらくと、
 のびのびと、
 あの空を仰いでわれらは生きよう。
 泣くも笑ふもみんなと一緒に
 最低にして最高の道をゆこう。
     高村光太郎詩集より

 人は心の持ちようで生活は明るくも暗くもなる。できることなら明るく毎日を暮らしたいものである。「最低にして最高の道」を歩めたらどんなにかいいだろう。

 私は「けちなもの」を捨て去り排除しての生活はなかなかできない。だから「けちなもの」なのだと思いながら自分の心を静めてゆく。けちなものが始終渦巻いているのが人生ならば明るく前向きに過ごしてゆきたいものである。

 
コメント
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