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「四谷怪談・稲妻の巻・水草の巻」(第六話・七話)

2008年09月02日 | ★恐怖!な映画
キーワード

傘はり浪人
立身出世
南蛮渡来の「毒薬」
髪漉き
戸板返し

数ある「四谷怪談」映像化作品の中でも異色の部類に入ると思う。

それは悪党直助 大フューチャーだから!!

そしてその直助に扮するのが
東映時代劇全盛期の大スター、東千代之介なのだ。
伊右衛門役は田村高廣
このツーショットだけでもお宝映像。

私は東千代之介の悪役というのを初めて見たが
さすが名取り(?)、
超一流の役者は何をやらせても絶品。
ご本人もこすっからい悪党を
楽しそうに演じているように見える。
伊右衛門は口八丁、手八丁の直助の言いなりになり、
お岩を手にかけてしまうのだ。

お岩さんの顔は毒薬を飲んだからではなく
顔に出来たやけどを治す「塗り薬」によって
破壊されるというのも新しい解釈だ。
薬を飲んでああなるのもドラマチックだけど
塗る方がリアリティがある。

髪漉き場面は従来どおりで
気色悪し。

脚本も素晴らしいと思えば
溝口監督の「赤線地帯」「雪夫人絵図」などの
成澤昌茂。時々はっとする言葉があった。
例えば
直助:“お岩さんは伊右衛門さんにとっては「けつまずき女」“
け、け、けつまずき女とはダイレクトな表現である。
つまりサゲマンということなのだろうが
こっちのほうが私は好きだ。

田村高廣の色悪はいいに決まっているが、
東千代之介の立て板に水をざあっと流すような江戸っ子弁、
歩き方走り方、その一挙一動に釘付けになる。
いかにも町人・遊び人ってかんじで
足の運びだけでも違うんですよねえ~~

瑳峨京子さんという人が
哀しく美しいお岩さんだが
かわいそうなくらいグロいメイクに変身させられていた。

伊右衛門はお岩のことをほんとは愛していたのだな。
と、思いたい。
色々な人物の思惑が交錯していて何度見ても新しい。
負の連鎖、カオス。過激で
いつまでも古くならない怪談である。

 教訓:薬は使用上の注意を読んで正しく使うべし
       人に惑わされることなかれ
       働き盛りの男がぶらぶらしていると、ろくなことは無い

使える台詞:「恨めしや」・・・お岩さんがお化けになる前から伊右衛門に言っていた言葉
       薄情な男に使ってみよう!ぞっとすること間違い無し
       「けつまずき女」・・使われたくないが使ってみたい台詞

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