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「怪談:大奥あかずの間」

2016年02月19日 | ★恐怖!な映画

「あかずの間」と聞くだけで

ぞお~~っとしてきますよね。

二月の怪談・・・

寒中水泳のような

怪談鑑賞です。(^_^;)

「大奥あかずの間」は、

1972年に放送された、怪談シリーズの第8話。

上様を巡っての女の嫉妬に、

お世継ぎ争いが絡み合う、大奥ものど真ん中の内容と申せましょう。

 

重々しく、陰鬱な空気を演出しているのは

ナレーション(宝生あやこ)の力も大きい。

上様(勝呂誉)も終始憂鬱そうで暗いし、

全体の湿度は高めです。

 

上様の子を身ごもったお女中が不審な死を遂げ、

以来あかずの間となった女の部屋からは

夜な夜な鼓を打つ音が響くのだった・・・・

 

雷が鳴り響く夜、廊下の隅から

不気味な尼がにゅう~~っと顔を出すシーンや、

死んだお女中の墓を暴くシーンは悪趣味で、ケレン味ありあり。

上様の正室を演じた

元大臣、坂田藤十郎夫人扇千景の若き日の美貌と、台詞回しの美しさは

さすがでした。

扇千景が着ていた古代紫の着物や豪華な打掛は、昔の素晴らしい染めで、

刺繍もそれは美しいものでした。垂涎。

 

豪華な衣装も良かったのですが、この作品の面白いところは意外なラスト。

どんでん返しと申しましょうか・・・

 

ネタバレ注意報***********

 

陰謀が暴かれ、無残に殺された女の供養も終わったから

亡霊も成仏したであろうめでたしめでたし・・・と、

フツウだったらエンドマークとなるところですが!

この作品はそんな甘くなかった!

 

事件を暴いた主人公たちが大奥を出ようとしたところ、

あろうことか雷に打たれ、

あっけなく死んでしまうのでした。

まるで亡霊に地獄へ引っ張られたごとく・・・(T_T)

 

陰々滅滅とはこのことですわ。

 

この世に恨みを残し、化けて出るような亡霊は

簡単には成仏しないということでしょうか?

怨霊に同情、加担してもろくなことにならないという教訓でしょうか?

(「牡丹灯籠」の、亡霊と取引してむごい死に方をした長屋の夫婦を思い出します)

くわばらくわばら・・・・

体感温度は氷点下-!!

 

 

 

 

 

 

 


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