邦画ブラボー

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「鴛鴦歌合戦」

2007年04月12日 | ★痛快!な映画
マキノ正博が
7日間(!)で撮ったという、時代劇ミュージカル映画。

「脳みそよとろけよ!」とばかり、
楽しい歌の応酬で物語が進行する。
貧乏長屋で暮らす
お春(市川春代)は同じく貧乏な浪人(片岡千恵蔵)に
惚れているが、殿様(ディック・ミネ)もまたお春に惚れている。

ストーリーは他愛の無いものです

タキシードにブランデーグラス、
ポマードで固めた白髪交じりのヘアじゃなきゃ
ディック・ミネだとわからない筆者は
この人誰?状態で最後まで観てしまった。
歌唱法も晩年のディック・ミネとはちょっと異なってるような。

片岡千恵蔵も「多羅尾伴内」をやったり、
「地雷也」ものをやったりと、
実にチャレンジ精神旺盛な方だとは思っていたが
ミュージカルにも出ていたとは知らなかった。
押し出しの利く立派な顔で「歌」。

また、ミスター「七人の侍」「生きる」の、
アカデミー賞主演男優(とってませんが)
志村喬がお春の父親役で登場。
傘を貼りながら、力が抜けた呑気な歌を披露しているのにも
正直言って開いた口がふさがらなかった!

時折めまいがしそうになるような
めくるめく
画面構成になるかと思ったらカメラが宮川一夫じゃないの。

どこか「歌謡ショー」を思わせる振り付け、
和音階が入ったジャズ風の音曲(?)といい
ユニークといっちゃあ、ユニーク。
ナンセンスといえばこれほどナンセンスな映画もそう無いだろう。

けっこう酩酊します

狸御殿シリーズはこの系譜を継ぐものだが、
これらは真面目に見ちゃだめ。
そのノリについていけるかどうかはあなた次第、
あなたの心身の状態次第と申しましょうか?

1939年
監督   マキノ正博
脚本   江戸川浩二
撮影   宮川一夫
オペレッタ構成・作詞   島田磬也
音楽指揮・作・編曲   大久保徳二郎

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4 コメント

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こりゃ傑作だ! (ジャズ喫茶“ディープ”)
2007-04-12 21:51:05
よくぞとりあげてくださった!数あるミュージカルの中でも個人的にはベストの部類。「勘兵衛」が歌うのも今見れば一興で面白いが、それよりもディック・ミネの殿様ぶりはノー天気さが横溢しており日中戦争真っ只中に作られたとは思えないもの。ジャズが日本的にアレンジされているのは、今流行りの和ジャズのはしりか。この映画、単なるカルト映画で終わらせては惜しい。やっぱり映画はエンターテイメントなんですね。しかし、昔を思えば、こうした映画がテレビで日常的に見られるとはいい時代になったものだ。
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ジャズ喫茶“ディープ”さんへ (ブラボー)
2007-04-13 06:53:09
これ初めて見たんですが
びっくり!しました。
ディック・ミネがバカ殿をやっていて
最高ですね。

突き抜けているというよりも
過激な明るさといいますか
柔軟でアヴァンギャルドな発想に
敬服しました。
戦争に対するアンチテーゼかと
とらえたくなりましたが、そんなことを
考えるのも野暮と思えるほど
楽しい映画ですね!
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♪こーれこれこれこの茶碗 (らら)
2007-04-14 00:05:05
女優がちぇ!と言って悪態つくのが可愛すぎてたまりません。この映画の千恵蔵は頬がすっきりしていて良い男ですよね! マキノと組んだ「続清水港」「彌次喜多道中記」など、大好きです。来年はフィルムセンターでマキノの特集があるので今から楽しみです。
返信する
ららさんへ (ブラボー)
2007-04-14 10:50:58
ぷぷぷ・・♪

天真爛漫な屈託の無さは宝ですねえ。
若き千恵蔵さんは
ほんと良い男っぷりです。

フィルムセンターでマキノ!ですか。
すごい情報。
チェックチェック!!

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