邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「霧の旗」森雅之版

2006年04月18日 | ★人生色々な映画
松本清張原作。72年にNHKで放送された。
全5話。
森雅之が小娘に痛めつけられるドラマ。

柳田桐子(植木まりこ)が
徳島から上京してきたのは
高名な弁護士大塚(森雅之)に
強盗殺人の容疑で逮捕された、兄の弁護を頼むためだった。

大塚は、弁護料は高いし、忙しいしと慇懃にその願いをしりぞける。
あきらめきれずに引き返した桐子は、
ゴルフクラブを積んで愛人(岡田茉莉子)の元へ急ぐ大塚の姿を見てしまう。

大塚、間が悪いです。
さらに不幸なことに、桐子の兄は無実の罪をきせられたまま獄死する。
憎しみのベクトルはピンポイントに大塚に向かい
執拗なまでの復讐が始まるのだった!

人の怨みはどこへ向かうかわかりません。
真犯人探すほうが先だろとか、警察への怒りはどうしたとか、
つっこみどころは色々ありますが・・
思いつめた桐子のまなざしが恐ろしい。
いっちゃってます。

植木まりこという女優さんは知らなかったが、
名優を翻弄し愚弄し罵倒して
いささかもたじろぐところがないのはあっぱれだった。

森雅之がまんまと小娘の術にはまっていく姿を見るのは
つらいというか快感というか。(?)
細かい表情筋のひとつひとつまで丁寧にとらえるカメラがありがたかった。

桐子が勤めていた
場末のバーのマダムが言うことには、
「あの子なら、ひひじじいと一緒に合い合い傘で出て行ったわよ」

ひ、ひ、ひひじじい・・??

脚本家でてこ~~い!

夕暮れの窓辺で
物憂げに佇むデカダンな横顔は
私の目には「ミスター・浮雲」そのものであったのに!

(そういえば、「浮雲」での岡田茉莉子の
艶姿と混浴も懐かしく思い出したのであった!
あの二人がまた手を絡ませたりするのだった!く~)

山田洋次がメガホンをとった映画版(倍賞千恵子、滝沢修)も
ぜひみたいと思いました。

ちなみにこの放送の翌年、
日本映画に偉大な貢献を果たした
森雅之は永遠の眠りにつくのでした。合掌。

1972年 NHKドラマ

よろしかったらですけど
ブログランキングへお願いします