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「眠狂四郎無頼控・魔剣地獄」

2005年06月08日 | ★ぐっとくる時代劇
鶴田浩二版・眠狂四郎を見た。

眠狂四郎といえば、
市川雷蔵が有名だが
鶴田浩二の狂四郎は柴田錬三郎原作の映画化第一号だった。

「無頼控第一話」「第二話円月殺法」ときて本作で三作目。

黒の着流しだけではなく白い着物に頭巾、
そして鏡獅子のような格好で踊るなど衣装替えもしてサービス満点。
虚無的なムードが漂う雷蔵版とは一味もふた味も違っていて
痛快娯楽時代劇の要素が大きい。

言ってみれば「昼」の狂四郎。

女性にモテモテなのは同じで
第一作目「無頼控」でも津島恵子を手ごめにしてましたが
いやらしさは無く、さらっとした狂四郎であった。

本作では中田康子演じる高慢な姫に所望されるも
「ごめんこうむる」と、はねつけるひねくれ加減はいつもどおり。

山田五十鈴、藤間紫、杉村春子など女性陣も華やかだが
悪徳商人(上田吉二郎)と取引する外国人に上原謙が扮していて
片言の日本語に爆笑。

狂言師役で森繁久弥、手下に多々良純、
ちらりと出る加東大介と、たいへん豪華な顔ぶれ。

スタイリッシュな雷蔵版と比べ
ほんのり温かみがある鶴田狂四郎の存在は意外だった。

映画ではこの他に松方弘樹版があるようだ。(未見だけど濃そうだ)

テレビの田村正和は女性との絡みが強調されていたように記憶する。
(そこばかりに気を取られていたのかも)
片岡孝夫(現仁左衛門)版も、品があった。

1958年 川西正純監督作品 脚本 木村武/ 川西正純

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