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「怪」隠神だぬき

2005年06月14日 | ★妖しい映画
京極夏彦「怪」シリーズは
WOWOWで放映されたドラマ。

能の面をかぶった侍による連続辻斬りが阿波で起きる。
女子供も容赦なく切り殺す手口は残虐非道の極みで
人々は恐れおののいていた。

異様な登場人物たちがひしめく時代劇ミステリーに、巧みに
妖怪伝説を絡めた京極夏彦ワールド。
この物語では阿波の「狸合戦伝説」を絶妙に取り入れている。

目をそむけてしまうスプラッター描写があると思えば、コミカルな笑いもある。
核は謎解きなのだが
地獄、亡霊、などの幻想シーンも散りばめて実に華やか。

「怪」シリーズに一貫して登場する「御行の又市」がいいです。
何事か!と思うような異様ないでたちのわりには、
飄々としてさわやかな雰囲気なのも
この物語をどろんどろんにしていない大要素と思われる。

ここでは田辺誠一が演じているが、
豊川悦司がやっても似合いそうではありませんか?(恐すぎますか)

又市の「御行奉為(御行し たてまつる)」チリン、チリン。(鈴です)という決め台詞に伴って
「山猫廻しのおぎん」(遠山景織子)、
「戯作者・百介」(佐野史郎)、
谷啓(!)らによる「御行」は「必殺シリーズ」を彷彿とさせる。

京都から辻斬りを追ってきた同心に嶋田久作。
悪役ではなく、正義感あふれるちょっと間抜けな侍を演じて意外に○。

他に宮下順子、「シニア筋肉王」の石丸謙二郎など。

世に不思議なし、世すべて不思議なり。

2000年 酒井信行監督  原作・企画・脚本:京極夏彦

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