邦画ブラボー

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「緋牡丹博徒・お竜参上」

2005年05月14日 | ★ハードボイルドな映画
緋牡丹シリーズの大ヒット6作目。

昨日の『女と三悪人』に続くように雑踏の場面から始まった。

時代は変わって明治の中頃、浅草六区。
やはり人が集まる所には悪党やスリがつきもの。

鉄砲久親分(嵐寛寿郎)の一家にわらじをぬいだお竜さん(藤純子)が、
浅草のシマをのっとろうとするあくどい鮫州政(安部徹) 一家に挑む。

今回の助っ人は流れ者の
青山常次郎(菅原文太)、
あっと驚く登場の熊坂虎吉(若山富三郎)。

青山常次郎(菅原文太)の生真面目な「です、ます」口調に答える
お竜さんの熊本弁がよかです。

名場面として映画史上に残る雪の今渡橋での別れ。

手作りの弁当を渡した時、雪の上にころころところがる蜜柑。
渡世人同士の情愛が切なく表現される。

『娘ざかりを渡世にかけて・・・はった体に緋牡丹燃える』

鮫州政一家に乗り込む時、絶妙なタイミングで流れる
「緋牡丹博徒」も、決して上手くはないけどよかです。

ドスを片手にきっと睨む目がぞくっとする美しさ。
凄艶な美が頂点に達する、ラストの壮絶な立ちまわり。

「死んでもらいますばい!」

女の優しさと渡世人として生きる厳しさが同居する
緋牡丹のお竜さんは重要無形文化財です。

多彩な登場人物のエピソードも手際よくまとめられ、
濃厚な仕上がり。

ちょうど先週末、浅草に行ったところ。
通りの喧騒は今も昔も変わらず、六区は人であふれていた。

1970年 監督・加藤泰 脚本:鈴木則文 加藤泰

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