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「鬼平犯科帳」劇場版

2005年05月04日 | ★ぐっとくる時代劇
これぞ江戸前!

鬼平こと長谷川平蔵は
「人たらしの王道」(強烈な魅力で会う人すべてをひきつける)を行く男である。

力強いリーダーシップと人情味、
鬼の顔と仏の顔を使い分ける。

人たらしの究極は
「この人だったら命を預けても悔いはない!」と思わせるということ。

いったん男と江戸を離れたはずの梶芽衣子も再び平蔵の元へ舞い戻る。
やっと夫婦になった狐火の二代目(世良公則)、
3ヶ月で死なせるとはあっけなさすぎ!・・というのはまあ置いといて・・

「犬になりとうございます!」なんて普通は言えません。

そんな「上司にしたい男時代劇版ベストスリー」には
この中村吉右衛門の長谷川平蔵と
松本白鸚(幸四郎)版・大石内蔵助
をあげておきたい。
白鸚は吉右衛門の実父でもあり、この人も平蔵をやっている!

もうひとりはこれから考えます。

そして年頃の息子を持った父としての長谷川平蔵にもまたまぶしいものがあった。

父にしたい男ナンバースリーには・・・

これはまた今度考えます。

はっきりとした感情表現、けじめのつけ方、絶妙の公私の切り替え。
「オレもはんぱものになりてぇ~」この愛嬌!
憎たらしいほどキマる台詞。
ハンパものが言ったらしゃれになりません。

平蔵と昔ちょっとあった女親分、岩下志麻。
腕を組みすっくと立つ姿、きせるをふかす姿はやはり名人芸。
熟練の技をここにも見た。
藤田まことも老獪な浪花商人を演じ、画面を締めていた。

この映画でも用心棒の「センセイ」は平蔵に敗れるのであった!

長谷川平蔵・・男女を問わず、とりこにしてしまう粋で憎い男。
その魅力のエッセンスがつまった劇場版であった!!
江戸屋猫八、江戸っ子弁がたまりません。
脇役がいいとグレードが上がる見本ですね。

時間の関係か、エンディングテーマのシーンが切れた。
人気あるジプシーキングスの曲と江戸情緒たっぷりの場面の取り合わせ。
ここを切っちゃいけませんね。

1995年 小野田嘉幹監督作品  脚本:野上龍雄  松竹・フジテレビ

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