邦画ブラボー

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「蜘蛛巣城」

2004年10月14日 | ★ぐっとくる時代劇
これは日本のゴシックホラーっス。
シェークスピアっス。マクベスっス。

・・・正気にもどり・・・・半ネタバレ・・・・


黒澤明+シェークスピアという、重厚な組み合わせ!

ひとりの武将が森の中で怪しい物の怪に出会い、
不思議な予言を受ける・

”北の館の殿様、やがては蜘蛛巣城の主になる・・”
予言に突き動かされるように武士は破滅の道を突き進んでいく・・・

武士の妻に山田五十鈴。
主君を裏切ってのしあがれと悪事をそそのかします。

怪奇な運命にあやつられる主人公に三船敏郎。
悪妻の尻にしかれ、言いなり。

その妻も罪の深さに気がふれてしまう・・・
「どうしてこの血は何度洗っても落ちないんだろうねえ、ああいやだいやだ。」
ぞ~っとしたシーンでしたよ!山田五十鈴恐るべし大女優。

武士はまた森に行き、予言をもらいます。
”山が動かぬ限り、安泰であろう・・”と。
だが、その山は・・・・・

はっきりいって陰気で後味も悪いです。
だけど一瞬も目が離せない。
陰惨な話ながら、作品の持つ「品格」に圧倒されます。

役者のステレオタイプのイメージに反した役どころも必見。
小心な三船、、欲に取り憑かれた山田五十鈴、その狂乱。
そして千秋実の不気味な亡霊。顔色悪~~
奇怪な物の怪には「浪花千栄子」だす。気味悪いです。

脚本には黒澤映画の生え抜き小国英雄、同じく菊島隆三、
「砂の器」「切腹」「白い巨塔」などでも有名な橋本忍
そして黒澤明というゴールデンメンバーがあたっています。

富士山の裾野に立てられたという幽玄な城のセット、
霧につつまれた森・・脅威の撮影技術、
完全主義の黒澤の世界を堪能出来ます。

最後のシーンは映画史に残る凄さ。ほんとに凄かった。
どうやって撮影したの?
後のインタビューで三船も「ほんとうに怖くて、しばらくうなされた」
と言っていたそうですよ。

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