邦画ブラボー

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「ドッペルゲンガー」

2004年10月04日 | ★恐怖!な映画
”ドッペルゲンガー”はもうひとりの自分のこと。

エドガー・アラン・ポーの短編をオムニバス化した傑作、
「世にも怪奇な物語」にも
ルイ・マル監督、アラン・ドロン主演の「影を殺した男」(“William Wilson”)という同様のテーマの作品があった。

ドッペルゲンガーを見ると人はその存在を抹殺したくなるらしい。
また、それを見た人は死ぬとも言われている。
芥川龍之介も晩年に見たらしい。(「歯車」)

黒沢清の映画には人間の存在の危うさと曖昧さが
テーマとして描かれる。

あやふやな世界。曖昧な自分。

役所広司だからこそ
曖昧さのリアリティ?が出せたのだと思う。

「CURE」でもそうだったように
恐怖のつぼの押さえが絶妙だ。

ある「気配」の表現も。
または絶妙なタイミングの時間差攻撃。
ズレ。

事件は急に起こる。
笑っていた人がいきなり激怒したり、
卑屈に謝っていた男が次の瞬間シャベルをふりかざしたりする。
観客に心の準備をさせない。
こっけいなくらいあっけない死。
誰にも起こりうるそんな死。

PE'Zのエンディング・テーマもよかった。
エンディングの曲って大事ですよね。

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