心を超健康にする6つの方法:六波羅蜜(ろくはらみつ)1

2006年05月22日 | メンタル・ヘルス




 これまで、すべてをばらばらに見てしまうのが迷いの心であり、すべてのものをつながって一つと見ることができるのが覚りの心であること、凡夫の八識の心はどういうものか、そこからどんなにひどい煩悩が湧いてくるか、それに対して覚った人の四智の心はどんなにすばらしいものか、凡夫から菩薩になりさらに覚った人=仏になるには5つの段階があることを、非常にシステマティックに学んできました。

 ここまで学ぶと――あるいは学んでいる途中にも――「では、どうすればいいのか」という問いが心に浮かんできたのではないでしょうか。

 ある意味ではそこがいちばん聞きたいところだったかもしれません。

 丁寧すぎるくらいの情報提供・インフォーメイションの後でようやく、唯識ドクターは、「……というわけで、あなたの心は病んでいますが、次のような処置をすれば治ります。やってみますか」と治療方法の説明と同意・コンセントのプロセスに入っていきます。

 「治療法は6つの方法がセットになっています。1つだけでも効果はないことはないんですが、ぜんぶをやることでそれぞれが相互に促進しあって、効果が顕著に高まります。試してごらんになりますか」と。

 それぞれの名前をあげておくと、「布施(ふせ)」、「持戒(じかい)」、「忍辱(にんにく)」、「精進(しょうじん)」、「禅定(ぜんじょう)」、「智慧(ちえ)」の6つです。

 まず、ごくおおまかに説明しておきましょう。

 「布施」というのは、施すこと、いろいろないいものをあげることです。

 「持戒」というのは、戒律を維持する、きまりを守るということです。

 「忍辱」というのは、辱めを忍ぶ、自分を害するものに対して仕返しをせず忍耐することです。

 「精進」というのは、精一杯一所懸命に修行を進めることです。

 「禅定」というのは、心を静め、深め、集中して、つながって一つである空の世界を実感するための瞑想です。

 「智慧」というのは、これまで学んできたような言葉による智慧から始まり、言葉を超えた空の智慧、四智まで、いろいろな深さの智慧全体を示しています。

 この6つの方法を、心を込めて、時間をかけて、しっかりと実行すれば、心は徐々に癒され、健康になり、最終的には超健康といってもいいくらいのレベルに成長していく、というのです。

 最初、おおまかな説明を聞いただけでは、「なんだか堅苦しくて面倒そうだな。もう少し楽しくて楽な方法はないのか」というふうな気がするかもしれません。いや、たいていの人がそういう気がするでしょう。

 そういう方には、「面倒だけど治る方法と、楽だけど治らない方法と、どちらがお好きですか? どちらがあなたの利益になるでしょう?」と聞くことにしています。

 前にお話しした譬えでいうと、寝たきりから起き上がって、歩けるようにリハビリをする場合、かなり根気が必要だったり、場合によってはそうとう痛かったりするようです。

 でも、歩きたかったら、がんばるしかないんですよね?

 ベッドで寝転んでいるほうが当面楽かもしれませんが、それでは歩けるようになりません。

 歩けるようになった時の未来の喜びと、寝たままでいる今の楽さと、みなさんはどちらを選択されますか?

 もちろん最終的にはみなさんの自由ですが、長い目で見たら明らかに、がんばったほうがみなさんの利益になると思います。

 ですから、強制はできませんが、強くお勧めします。

 ……といっても、もう少し詳しく説明しなければ、何をどうすればいいのかわかりませんね。

 続けて、お話ししていきたいと思います。



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コメント (3)
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