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昨日は、夕方からグランフロント大阪の北館1Fのカフェラボで行われる、大阪市立東洋陶磁美術館×ナレッジキャピタルによる 超学校シリーズの講座― 東洋陶磁の魅力―の1回目に参加した。
美術評論家の岩佐倫太郎氏とによる講座だった。
講座は予約制で、会費500円で1ドリンク付きである。
会場は満員で、司会者の話によると、新聞記者や大学関係者や美術家といった人たちも多く来ていたようである。
講義は、岩佐氏の講座から始まった。
岩佐氏は、西洋美術と東洋美術の関係について解説され、特に19世紀のフランスで起きた、ジャポニズムの影響についての解説であった。
解説の範囲は、美術関係者ならよく知る範囲の物であり、目新しいものはなかった。
それでも、その中に最近の春画が、西洋美術に及ぼした影響ンついて触れられ、クールベが女性の下半身の大腿部までの裸体を非常にリアルに描いたスライドを見せられたことは、多少驚きであった。
春画の西洋美術に及ぼした影響も、考える必要があるのかもしれない。
この絵は初めて見たが、クールベに対するイメージがかなり変わった。
岩佐氏の後に講義されたのは、大阪市立東洋陶磁美術館館長の出川哲朗氏だった。
東洋陶磁美術館の歴史とか、世界的に見た評価を語られ、東洋陶磁では世界トップレベルの美術館であるということを語られた。
その後様々な所蔵品のスライドを見ながらの所蔵品の概略の説明を受けた。
所蔵品には、国宝や重要文化財もいくつか含まれるという話だった。
世界的な美術的評価からすると、国宝や重要文化財と同等レベルの所蔵品がいろいろあるとのことだった。
私も、ギャラリー時代に信楽の展覧会を何度かしたことがあり、伝統的陶芸作品に興味を持ち、そのころから、過去何度も東洋陶磁美術館に足を運んでいた。
スライドに出た作品はほとんど見覚えのあるものばかりであり、そうしたことから話の内容は以前から実感していた。
館長の話で印象に残ったのは、欧米では陶芸は実用の器が装飾美術として扱われているが、日本は単品の作品として愛でるというところが大きな違いであるとの話は、今まで気づかなかった。
確かにスライドで、宮殿での陶芸品の展示や美術館での扱いは、工芸装飾品としての扱いで大量に並べられている。
(しかし、絵に関してもそういう展示がされているので、欧米の陶芸への見方・評価が単なる工芸品とる傾向があるかどうかは、一概には論じられないかもしれないと思う。)
館長の考えでは、芸術作品は差異で成り立っていて、よく似たものがあれば比べてどちらが良いか見比べるという。
(人間を差別してはならないことは当然であるが、スポーツや芸術や学問やゲーム<囲碁、将棋、チェス・・・>やビジネスは差別・競争で成り立っていて、現実にそれぞれそのレベルや階級が存在するのだ。)
良い作品を数多く観ていると、どの作品が優れているかすぐわかるという。
(逆にいうと、出来の良くない作品や凡庸な作品ばかり見ていると、優れた作品の価値が見えなくなるのかもしれない。また、人が多く集まる作品が、いい作品とは限らないのかもしれない。そうした意味でも、たまには、名品や専門家の評価の高い作品を見に行くことも必要なのだろう。)
東洋陶磁美術館にも、目のブラッシュアップをするために、何度も来る美術関係者(評論家、作家、学芸員、コレクタ)は多いという。
全く同感である。
昨日は、夕方からグランフロント大阪の北館1Fのカフェラボで行われる、大阪市立東洋陶磁美術館×ナレッジキャピタルによる 超学校シリーズの講座― 東洋陶磁の魅力―の1回目に参加した。
美術評論家の岩佐倫太郎氏とによる講座だった。
講座は予約制で、会費500円で1ドリンク付きである。
会場は満員で、司会者の話によると、新聞記者や大学関係者や美術家といった人たちも多く来ていたようである。
講義は、岩佐氏の講座から始まった。
岩佐氏は、西洋美術と東洋美術の関係について解説され、特に19世紀のフランスで起きた、ジャポニズムの影響についての解説であった。
解説の範囲は、美術関係者ならよく知る範囲の物であり、目新しいものはなかった。
それでも、その中に最近の春画が、西洋美術に及ぼした影響ンついて触れられ、クールベが女性の下半身の大腿部までの裸体を非常にリアルに描いたスライドを見せられたことは、多少驚きであった。
春画の西洋美術に及ぼした影響も、考える必要があるのかもしれない。
この絵は初めて見たが、クールベに対するイメージがかなり変わった。
岩佐氏の後に講義されたのは、大阪市立東洋陶磁美術館館長の出川哲朗氏だった。
東洋陶磁美術館の歴史とか、世界的に見た評価を語られ、東洋陶磁では世界トップレベルの美術館であるということを語られた。
その後様々な所蔵品のスライドを見ながらの所蔵品の概略の説明を受けた。
所蔵品には、国宝や重要文化財もいくつか含まれるという話だった。
世界的な美術的評価からすると、国宝や重要文化財と同等レベルの所蔵品がいろいろあるとのことだった。
私も、ギャラリー時代に信楽の展覧会を何度かしたことがあり、伝統的陶芸作品に興味を持ち、そのころから、過去何度も東洋陶磁美術館に足を運んでいた。
スライドに出た作品はほとんど見覚えのあるものばかりであり、そうしたことから話の内容は以前から実感していた。
館長の話で印象に残ったのは、欧米では陶芸は実用の器が装飾美術として扱われているが、日本は単品の作品として愛でるというところが大きな違いであるとの話は、今まで気づかなかった。
確かにスライドで、宮殿での陶芸品の展示や美術館での扱いは、工芸装飾品としての扱いで大量に並べられている。
(しかし、絵に関してもそういう展示がされているので、欧米の陶芸への見方・評価が単なる工芸品とる傾向があるかどうかは、一概には論じられないかもしれないと思う。)
館長の考えでは、芸術作品は差異で成り立っていて、よく似たものがあれば比べてどちらが良いか見比べるという。
(人間を差別してはならないことは当然であるが、スポーツや芸術や学問やゲーム<囲碁、将棋、チェス・・・>やビジネスは差別・競争で成り立っていて、現実にそれぞれそのレベルや階級が存在するのだ。)
良い作品を数多く観ていると、どの作品が優れているかすぐわかるという。
(逆にいうと、出来の良くない作品や凡庸な作品ばかり見ていると、優れた作品の価値が見えなくなるのかもしれない。また、人が多く集まる作品が、いい作品とは限らないのかもしれない。そうした意味でも、たまには、名品や専門家の評価の高い作品を見に行くことも必要なのだろう。)
東洋陶磁美術館にも、目のブラッシュアップをするために、何度も来る美術関係者(評論家、作家、学芸員、コレクタ)は多いという。
全く同感である。
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