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忌まわしき連鎖「ある少女にまつわる殺人の告白」by佐藤青南

2017年06月12日 | 小説レビュー
〜第9回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞作品。
長崎県南児童相談所の所長が語る、ある少女をめぐる忌まわしい事件。
10年前にいったい何が起きたのか―。小学校教師や小児科医、家族らの証言が当時の状況を明らかにしていく。
さらに、その裏に隠されたショッキングな真実も浮かび上がる。
関係者に話を聞いて回る男の正体が明らかになるとき、哀しくも恐ろしいラストが待ち受ける。「BOOK」データベースより


『このミステリーがスゴい』シリーズは、『当たり外れがスゴい』シリーズなんですよねf(^_^;

この作品は、当たりでも外れでもなく、その中間?というか、平均点以上はとっているものの、素晴らしいとまではいかないという感じですかね?

湊かなえさんの作品に見られるような、事件に関係する人たちが語る形式で物語が進んでいきます。

また、途中からは、東野圭吾氏の『白夜行』や『幻夜』みたいやなぁと感じました。

作者の佐藤青南氏のデビュー作品ですが、文章も読みやすく、ハラハラさせられる展開もありましたし、とてもよく書けていると思います。

特に後半は一気に急加速し、最後にどんでん返しもあります。

ただ、途中から「この子はもう・・・」と、オチが見えてきます。

※以降ネタバレあり、ご注意!

亜紀と入江くん、亜紀と明日香の関係性に、白夜行の『亮司と雪穂』のような固い結束を思わせる描写はなかったのに、あんなに簡単に・・・。

また、「見ず知らずのインタビュアーに、関係者がペラペラと話しすぎちゃうん?」等々、後半に加速しすぎたので、荷物も振り落とされたのかも知れませんが、少々無理筋の展開もあります。

文中にも度々出てくる『児童虐待』ですが、ニュースでも報道されているように、そこかしこに潜在していると思います。

この連鎖を断ちきれるような世の中になってほしいものです。

★★★3つです。

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