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さすが日本の文豪『坊ちゃん』by夏目漱石

2019年05月31日 | 小説レビュー
『坊ちゃん』by夏目漱石

~学校を卒業した“坊っちゃん”。正義感あふれる彼は四国の中学校に英語教師として赴任することに。
偽善的な大人たちを相手に坊っちゃんは大騒動を繰り広げる。
作者の実体験をもとに描かれた爽やかでユーモアあふれる作品。「BOOK」データベースより


明治の文豪、いや日本の大文豪『夏目漱石』ですが、今の今まで漱石の作品を読んだことがありませんでした。「漱石を読まずして読書愛好家を名乗る無かれ」と、誰かが言ったとかいわないとか・・・

いずれにしても、いつかは読みたいと思っていた作家さんでした。

図書館の方に、「漱石で一番最初に読むなら何ですかね?」と聞くと、「そりゃ、坊ちゃんでしょう」と即答されたので、坊ちゃんを借りてきました。

書き出しの、~「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間程腰を抜かした事がある。・・・」というくだりは、あまりにも有名ですが内容は、ほとんど全く知りませんでした。『坊ちゃん』というタイトルから、「子どもの頃の話なんか?」と思っていましたら、大人の話でした(^_^;)

さて内容ですが、さすがは「日本文学の巨人」と言われ続けているだけありまして、明治期に書かれた文章であるはずなのに、旧さや読みにくさはなく、文章がとても美しいです。

美しいというのは表現や描写が美しいというのは少し違って、読んでいて引っかかるところが無いというか、無駄が無いというか、「シンプル イズ ベスト」の文章です。

ストーリーとしては、陰湿な権力者に対して、正義感の塊の坊ちゃんが真実一路に立ち向かっていく美しい姿を描いています。

その坊ちゃんを陰日向に支える「清(年配の女中)」の存在が、まさに『助演女優賞』もので、物語に素晴らしいテイストを与えてくれています。

その他の登場人物のキャラも、それぞれがスッキリと立っていて、物語にどっぷりと浸かることが出来ます。

しかしながら、ストーリーに意外性はなく、坊ちゃんと山嵐とのその後の友情や、マドンナの行方など、「もう少し書いてくれても良かったのになぁ~」という思いもしますが、あえてそれを追求しなかったからこそ、令和を迎えた今でも、ほとんど色あせない『坊ちゃん』の評価があるのかも知れません。

次は、『吾輩は猫である』か、『こころ』『三四郎』あたりを読んでみたいと思います。

★★★3つです。
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