「うさぎの聞き耳」青木奈緒著より。
この青木さんの母親は随筆家の青木玉さんでその母親は幸田文さん(つまり祖母)、その父親は幸田露伴(曾祖父)だった。4代も続いて物書きだったらきっとその遺伝でかなりの書き手に違いないと思われているようだが、本人にはそれは迷惑のようだ。
何冊も読んだわけではないが、幸田文さんの文章には父親から受け継いだ素質だろうか、確かな取材としっかりした知識、そして落ち着いた中にも熱気さえも感じられた。そして青木玉さんの文章からは実に美しく練られた日本語が伝わってきた。これこそ本物の随筆かと思わせられた次第。
また奈緒さんの文章からは30代半ば(この本を書いた当時)のいかにもパソコン世代の女性らしい生き生きとした感性が感じられた。ドイツに12年間を暮らしたという話のところでは、言葉が弾んでいるようでもあった。センテンスが早いテンポで進んでいくのはパソコンで書いていたせいだろうか。
本文の中にも同業の母親は茶の間に原稿用紙を広げて、一字一字鉛筆で律儀に埋めていくとあった。それに対してご本人は気分によって、ノートパソコンを移動させながら、キーボードをたたいて原稿作りに励んでいるという。
そうして出来上がった一冊もべつにすらすらと書きあげたわけではなかったようだ。物書きとしてたまたま四代目ではあるものの、職人と違って代々受け継がれたものがあるわけでもない。自身の判断でたまたま続いただけで、DNAは頼みにはならないと述べている。(もっとも、そこそこの才能がなければ一冊も書けないであろうが。)
この青木さんの母親は随筆家の青木玉さんでその母親は幸田文さん(つまり祖母)、その父親は幸田露伴(曾祖父)だった。4代も続いて物書きだったらきっとその遺伝でかなりの書き手に違いないと思われているようだが、本人にはそれは迷惑のようだ。
何冊も読んだわけではないが、幸田文さんの文章には父親から受け継いだ素質だろうか、確かな取材としっかりした知識、そして落ち着いた中にも熱気さえも感じられた。そして青木玉さんの文章からは実に美しく練られた日本語が伝わってきた。これこそ本物の随筆かと思わせられた次第。
また奈緒さんの文章からは30代半ば(この本を書いた当時)のいかにもパソコン世代の女性らしい生き生きとした感性が感じられた。ドイツに12年間を暮らしたという話のところでは、言葉が弾んでいるようでもあった。センテンスが早いテンポで進んでいくのはパソコンで書いていたせいだろうか。
本文の中にも同業の母親は茶の間に原稿用紙を広げて、一字一字鉛筆で律儀に埋めていくとあった。それに対してご本人は気分によって、ノートパソコンを移動させながら、キーボードをたたいて原稿作りに励んでいるという。
そうして出来上がった一冊もべつにすらすらと書きあげたわけではなかったようだ。物書きとしてたまたま四代目ではあるものの、職人と違って代々受け継がれたものがあるわけでもない。自身の判断でたまたま続いただけで、DNAは頼みにはならないと述べている。(もっとも、そこそこの才能がなければ一冊も書けないであろうが。)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます