ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

事実に語らせることによる衝撃力・・・

2007年09月22日 | Weblog
「かけがえのない日々」柳田邦男著より。

日本を代表をするピアニストの中村紘子さんは1989年に『チャイコフスキーコンクール』で第二十回大宅荘一ノンフィクション賞を受けている。つまりプロの作家でもあるというわけだ。(この本は家にはあるがまだ読んではいない)

才能のある人は本当にすごいものだと感心してしまう。その賞を受賞したのはピアニストとしてデビューして三十年目のことだった。

筆者の柳田氏が《ウ~ン》と唸ってしまったのは、『ピアニストという蛮族』を読んだときだった。文章のなかに次のような箇所があった。

「たった一曲を弾くのに、例えばラフマニノフの『ピアノ協奏曲第三番』では、私自身半日かかって数えたところでは、二万八千七百三十六個のオヤマジャクシを頭と体で覚えて弾くのである。・・・」

これほど詳細な数字を文章のなかに持ち込んだ表現方法あるいは表現力に対して驚いている。「二万個以上もの」や「膨大な数のオタマジャクシ」でもリアリティは出てこない。

正確に「二万八千七百三十六個」という事実を知るとインパクトはある。これが事実に語らせるということになる。

しかもわずか一行のために、多忙ななかを半日もかけて自分自身で数えたというところにも、プロ根性を感じざるを得ない。弾いても書いてもさすがやはりプロは違う!

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