素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

今月の『100分de名著』は《風姿花伝》

2014年01月09日 | 日記
 林望さんのを読み終えていたので補完する意味でもわたしにとってはちょうど良いタイミングで『100分de名著』に取り上げてもらった。林望さんの解説もわかりやすいのだが,映像でまとめてもらうとさらにイメージしやすく理解も深まる。第1回では世阿弥のキーワードである『花』という言葉についてよくわかった。
  「風姿花伝」は非常に具体的かつ合理的な芸能論であるが、それだけにとどまらず人生万般に通じる教訓に溢れているように思える。毎週水曜日の夜が楽しみである。『すらすら読める・風姿花伝』(講談社)のあとがきで林望さんは紙幅の関係で「おいしいところ」をずい分割愛したと書かれていて。いつかはと思っていたが この放送を機に林望さんの勧めに従って全巻の通読をしてみようかと考えている。

 今日のBSの「歴史館」の松尾芭蕉は面白かった。昨年の10月の『100分de名著』で松尾芭蕉の「おくのほそ道」が取り上げられ俳人の長谷川櫂さんの解説でずい分芭蕉に対する認識が深まったのだが、さらに歴史の時間軸の中で芭蕉の存在というものがよくわかった。長谷川さんんもコメンテーターの一人として出演されていたが、また違った切り口から「古池や蛙とびこむ水の音」の話をされていて「なるほど!」と合点した。

 思うに英語教育云々と大騒ぎしているが、むしろ古典含めてもっと日本語教育の充実に力を注いだ方がいいのではということを痛切に思うようになってきた。もっと若い時に受験のためではない古典の面白さにふれていたらと最近の充実した番組にふれるたびに思うのである。日本の文字文化は長い歴史の中で豊かに育まれてきたもので世界に誇れるものだと思う。そのことが学校教育の中でしっかり伝えられてこなかったのは不幸である。大多数の人は日本で暮らしていくのである。長きにわたって先人が築き上げてきた日本文化をもっとていねいにきちっと伝えることが公教育の心柱となるべきではないかな。

「住する所なきを まず花と知るべし」という部分を読み、考え、話し合うだけでも学ぶことが多い。教員研修に『風姿花伝』を読む。なんて時代がくればと夢想する。
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