素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「女性が輝く社会」?『女性活躍担当大臣』?平塚らいてうさんはどう思うだろうか。

2014年11月07日 | 日記
 安倍首相、 内閣改造の段になって、「女性が輝く社会」を繰り返し強調するようになった。何とも言えぬ違和感を覚えた。女性活躍担当大臣の設置には疑問符がついた。幕が上がった途端、ふたりの役者がずっこけたため近頃はトーンダウンしているが、違和感と疑問はずっと頭の中でくすぶっている。

 以前、同勤したSさん、私が「~さんて、いい人やな」と言うと必ず「世の中に悪い人っているの?」と切り返してきた。きっとSさんだったら安倍さんに「女性は輝いていないの?」「活躍していないの?」というツッコミをいれるはずだ。「女性はすでに活躍しているのに、社会がその活躍に見合う評価をしてこなかったことが問題じゃないか」と。

 安倍さんの論には歴史への視点が欠けているように思う。
 
 1911年(明治44年)9月、25歳の平塚らいてうさんが雑誌「青鞜」の発刊を祝って寄せた言葉
『元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。
  今、女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く、病人のような蒼白い顔の月である。さてここに「青鞜」は初声を上げた。
 現代の日本の女性の頭脳と手によって始めてできた「青鞜」は初声を上げた。
  女性のなすことは今はただ嘲りの笑いを招くばかりである。私はよく知っている、嘲りの笑いの下に隠れたるあるものを。
  そして私は少しも恐れない・・・・・・』


 安倍さんの「女性の輝く」よりも何とインパクトのある言葉だろう。すでに、100余年前にこの世に発せられていたのである。その後の婦人参政権など女性の権利獲得の歴史に言及することなしで「女性が輝く社会」と軽々しく言ってはいけないのではないだろうか。

また、男女雇用機会均等法(職場における男女の差別を禁止し、募集・採用・昇給・昇進・教育訓練・定年・退職・解雇などの面で男女とも平等に扱うことを定めた法律。1985年制定、翌86年より施行。その後、97年に一部改正され、女性保護のために設けられていた時間外や休日労働、深夜業務などの規制を撤廃。さらにセクシャル・ハラスメント防止のため、事業主に対して雇用上の管理を義務づけている。)が制定されて30年近くなるにもかかわらず、現状は課題が多い。そこから「女性活躍担当大臣」という短絡的な名称をつけたのだろうが、政治学者の岡田憲治さんが言っている「男女平等参画担当大臣」ならば流れに沿っていると言える。

 さらに今は性同一性障害という新たな課題もクローズアップしてきている。

 重い歴史と現状を考えると、もっとしっかり論議をしていかなくてはいけない、とっても難しい問題である。余りにも軽々しく論じられていることに違和感を覚える。
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