素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

ヒゴタイ

2024年09月02日 | 日記
 今日の「余録」は、興味深い内容だった。書き写す時に最初の段落(まくら)からその後の展開(本題)を予想する楽しみもある。だいたい8割ぐらいは予想通りになる。しかし、今日は【江戸時代の儒学者、貝原益軒は薬学者でもあった。「本草(ほんぞう)学者」と呼ばれ、国内の植物などをまとめた事典「大和本草」を編さんした。そこに「平江帯(ヒンガウタイ)」という植物が登場する。「花ルリ色ナリ葉ハ敗醬(おみなえし)ニ似タリ」と記す▲キク科の「ヒゴタイ」のことだ。8月のお盆の頃、瑠璃色で球状の愛らしい花を咲かせる。だが、近年は数を減らし、絶滅危惧種に指定される▲】と2段落目まで書き写してきても話の展開が読めない。

 オッ!と思ったのは、続く下り【▲大陸から日本に入ったのは氷河期。現在は東海、中国、九州地方に点在するが、気温や降水量などでは説明がつかない不思議な分布という。なぜなのか▲】260万年前というスケールの長さに驚いた。ヒゴタイが生き残ってきたのは、人間が草原を守る営みを営々と続けて来たかえあだとあった。

 熊本県産山村の阿蘇の草原が紹介されていて、妻にそのことを話すと「遠くへ行かなくても六甲高山植物園でも見ることができるよ」とアッサリ言われた。

 先月21日に、枚方山草会の日帰り観察会で、六甲高山植物園と丹波篠山へ行ってきた。「ヒゴタイがきれいに咲いていたから写真に撮ってある」と見せてくれた。
 

 目の前の色々な出来事に目を奪われがちだが、長い時間の枠で営々と続いてきた営みに目を向けることも大切やなと余録を読みながら思った。
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