素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

二兎社公演「兄帰る」(作・演出永井愛)をびわ湖ホールで

2013年09月14日 | 日記
 井上ひさしさんのものは生誕77フェスティバルのおかげで関西でも観る機会が増えたが、二兎社の永井愛さんの作品の公演はまだ少ない。8月3日から9月1日までの東京芸術劇場シアターウェストでの公演を終えた後、9月3日~10月4日、ほぼ隔日のペースで全国14会場での公演ツアーに入っている。
 
 関西では12日(木)に兵庫県立文化センター、14日(土)に滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールでの公演が予定されていた。少し遠いがこの機会を逃す手はないと思った。どちらも似たような距離であるがドライブを兼ねてびわ湖の景色も久しぶりに見たかったのでびわ湖ホールに決めた。

 明日、明後日と台風18号の影響で荒れた天気が予想されているだけにむし暑さはあっても良きドライブ日和にいつもながらのささやかな幸運を感じる。びわ湖ホールには高橋真梨子のコンサートで2度ばかり来ているが、10年以上前の話である。駐車場とホールをつなぐ連絡通路から見た姿とホールロビーの大きな窓ガラス越しに見えるびわ湖の風景は印象的だった。
  琵琶湖を借景として空間を贅沢に使っている建物の中に身を置くと心身ともにゆったりしてくる。
 『兄帰る』を一口で表現することは難しい。日常どこにでもいるような人物の織りなす虚々実々の駆け引きの中に、自分自身の経験してきたことが共鳴し心が温かくなってくる。おそらく観ている人それぞれに共鳴する部分が違うのではないかと思う。その幅の広さと奥の深さがこの劇の魅力だと思う。

 私は『正論で押し通すこともできず、かといって周りに合わせてばかりでもなく意地も張り、建前とは裏腹にずるい計算もする。それぞれに弱さ、迷い、欠点を抱えているのが世の人。「それでもどっこい生きている!」』という思いが心に芽ばえた。

 公演後に毎日新聞学芸部の記者の方が司会進行となり、作・演出の永井愛さんとキャストの鶴見辰吾さん、枝元萌さんによるトークショーがロビーであった。二兎社「兄帰る」プロモーション映像第二弾!(←クリック)と重なることも多いが生で聞くとまた格別である。30分弱ではあったが、お得なおまけであった
 
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