素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

季節は春に向かってグッと旋回

2012年03月21日 | 日記
 選抜高校野球が始まった。開会式での石巻工・阿部翔人主将の選手宣誓は心に響いた。身体を通して生まれてきた言葉の力である。昨年3月11日あ午後2時46分、激しい揺れに襲われたのはグランドで練習していた時だった。石巻工業は海岸から2kmの所にある。津波がくるとは思っていなかった。しかし、津波は最大1.7mの高さになって押し寄せ、校舎は1階が水没した。部員は3階に避難し、3日間出ることはできなかった。震災11日後、再び集まった部員の目の前には厚さ11cmのヘドロが積もったグランドがあった。

 「野球がやりたい」の一心で全員で泥かきを始めた。悪戦苦闘ぶりが伝わり、自衛隊、米軍、ボランティアなど延べ1000人が手伝いに駆けつけた。1ヶ月かけ、2トントラック300台分の泥やがれきを撤去した。

 阿部主将の自宅も1階まで浸水し、弟や祖父母、幼なじみが津波にのみ込まれた。家族らは近所の人に救助されたが、小学生時代のチームメイトを亡くした。

 家族、チームメイトなどまわりの人たちから寄せられた言葉を自分の頭と心を通してしっかりまとめあげたと思う。あってはならないが、理不尽な死と向き合うことで人は大きくなる。

 ジムへ行く途中に公園がある。昼過ぎなのに小学生や中学生の姿を多く見かけた。「卒業した6年生や中学生か」と思いつくまでにしばらくかかった。

 ジムのテレビから甲子園の中継が聞こえ、外の公園で遊ぶ子どもの姿を見ていると「春やなあ」と強く思った。桜の情報もちらほらと聞こえはじめてきた。大相撲大阪春場所も盛り上がっている。Jリーグ開幕、群雄割拠した戦国時代の様相を呈する。プロ野球もオープン戦たけなわ。監督の世代交代が印象的。新年度を目の前にして新年とは違うワクワク感がただよってきた。春近しである。

 

 
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