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素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

『宙わたる教室』(伊予原新・文藝春秋)積読エリアよから脱出

2025年03月24日 | 日記
 去年の10月からNHK総合毎週火曜日の夜ドラで放送された「宙わたる教室」(全10話)にハマったことは以前書いた。その勢いで原作本も購入し、ドラマ終了後に読もうと思ったが、2ページほど進んでストップした。ドラマのイメージが強く残り過ぎていて本の世界へ入ることができないと感じたからだ。ここはひとまず積読エリアにおいて寝かせることにした。

 ドラマが終わって3か月ほど経った今、ちょうど黄砂で枚方市方面や北摂の山々がかすんでいるのと同じような状態になってきたので読み時が来たと手に取った。ちょうどうまい具合にドラマが補完の形となって物語の世界に没入できた。2日間で読み切った。ドラマとは違う感慨を覚えた。

 昨日「御上先生」も最終回を迎えた。対照的な2つの学校を舞台にしたものだったが共通して「教育とは?」という問いかけがある。2つを見、読み終えた今、無性に村井実さんの本を読みたくなった。本の大整理をした時にすべて手放してしまったことを悔やんでいる。

 村井実さんとの出会いは実家の本棚にあった講談社現代新書の「人間の権利」だった。20歳前後で読んだと思うのだが、人権というものが様々な人々の努力の積み重ねによって歴史的に構築されてきて、そして我々もそれを引き継いで、不断の努力によって引き継いでいこうという意志が必要である。人権は天から与えられた「自然的」なものではなく、人間が作っていく「歴史的」なものだという認識と自覚を論理的にわかりやすく説いていて、目から鱗が落ちるという強烈な感覚を味わった。

 村井さんは教育学者で「新・教育学のすすめ」「道徳は教えられるか」は私のバックボーンであった。退職して15年余り記憶の奥底に沈んでいたが、2つの作品でにわかに浮上してきたのである。一度図書館に行ってみようと思う。

 学校教育は今、混とんとした状況にあると考える。今一度自分自身の原点に立ち返ってみてそこから考えてみたい。それは「正解のない問題」かもしれないが(笑)考え続けよう。
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