素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

死刑制度

2023年12月29日 | 日記
 36人の人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件の裁判が9月に入ってから続いている。その様子が報じられる機会も多くなった。自然と死刑制度について改めて考えさせられる。死刑制度につて是か非かと問われても私ははっきりしていない。

 どちらかと言えば、「人を殺したものは自らの生命をもって償うべきである」「死刑制度の威嚇力は犯罪抑止に必要」「被害者・遺族の心情からすれば死刑制度は必要」などという思いから死刑制度を是とする方に70%寄っていた。
しかし、今は死刑制度を非とする方に70%寄りつつある。大きな理由は2つある。

 ①死刑は一度執行すると取り返しがつかない。裁判には誤審の可能性があることが避けられない。冤罪の再審の道がいかに困難かは袴田さんの事例で身に染むようになってきた。

②死刑に犯罪を抑止する効果があるか否かは疑わしい。むしろ、ここ最近の無関係な人を巻き込む凄惨な事件を見ると「主張を通したいから死刑になってもいい」「死んでもいいから誰彼構わず殺したい」「死にたいけど誰かを道連れにしよう」などなど考える自暴自棄な者たちにとって「死刑制度」というのはむしろ喜ばしいことではないか?と思ってしまう。「自殺したいが為に他人を巻き込み、死刑を望む」といった人間には、被害者・遺族に被害弁償をさせ、生涯、罪を償わせるほうが抑止効果になるのではないか。

 簡単に割り切れない悩ましい問題だが考え続けなければならないだろう。
コメント
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