素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

視点を変える①北極海

2021年05月22日 | 日記
 今日の「余禄」は北極海ルートのことだった。地球温暖化の影響で北極海の氷が溶けているというニュースはたびたびあった。それらは脱炭素化社会の実現に向けての取り組みをどう進めるかという地球環境の側面からの視点であった
 しかし、氷が溶けるということは夏場にはそれに邪魔されずにアジアと欧州を結ぶことが可能になるという。スエズ運河を使うより北極海ルートは距離が3分の2になるそうだ。先のスエズ運河での座礁事故や中東の不安定な政治情勢を考えると複数のルートがある方がリスクは軽減される。そういう視点もあるのだと読んでいて思った。その時、8年ほど前に買った「なるほど知図帳・日本2013」(昭文社)のことを思い出した。長く本棚に眠っていたが取り出してみた。”視点を変えた日本地図”が売りで当時、なるほどと感心したものだ。世界地図といえば、日本中心のものに慣れ親しんでいるのでアメリカ大陸と欧州の距離感が狂ってしまう。中学生の時、学習雑誌の付録で地球儀を作った時平面の地図との違いに驚いたものだが、それでも頭の中の世界地図はそのままであった。

衝動買いした「日本大地図」(ユーキャン)に北極中心の地図が掲載されていた。

当時は何とも思っていなかったが、「余禄」を読んであらためてじっくり見ると北欧の国々のポジションが違って見える。「余禄」によれば第二次世界大戦中の1941年6月、ドイツが不可侵条約をソ連に攻め込むと米英など連合国はソ連に物資や武器の支援に北極海ルートを使ったという。英国やアイスランドを起点にノルウェー沖の北極海を通ってソ連に向かうと太平洋横断の約半分の日数で到着したらしい。ドイツも占領していたノルウェーを拠点に輸送船団を攻撃したため連合国側も大きな損害を被ったが、輸送はドイツ降伏まで続いたとのこと。
 そのことを考えると北極海の氷が溶けて自由に航行できるエリアが広がるということは軍事的なバランスにも影響がでてくるということになる。地球温暖化かが思わぬ課題を浮かび上がらせた。
 これから大国による宇宙の覇権争い同様北極海の覇権争いも激しくなるということか。
 
コメント
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