素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

有川浩著『明日の子供たち』を読み始める

2014年09月03日 | 日記
 『余録日記』の貫通工事とマラソンに向けての身体づくりにエネルギーをとられてしまい、カチッとした本からは遠ざかる日々であった。それらが一区切りついた途端、無性に本を読みたくなった。人間の中にはバランスをとろうとする力が内在している。その声を無視すると心身に変調をきたすのであろう。

 仕事をしている時は体の声に耳を傾けてばかりもいられず、無理をすることもしばしばあったが今はありがたい。水曜日はスタジオレッスンのピラティスが12時20分からあるのでいつもよりは早目にジムに入る。午後のジムはだいたい16時過ぎまでいることが多い。必然的に水曜日は長い時間トレーニングに取り組むことになるので1週間のリズムでいえばヤマにあたる。

 水曜日のピラティスは骨盤回りのインナーマッスルにじっくり刺激を与えてくれるので終わった後コルセットをはめたように体がシャキッとなり、その後の筋力トレーニングや有酸素運動が楽にできるのだが、今日は違った。いつものメニューをやり始めたが心身ともに拒絶反応を起こしてきた。こういう時は無理をしない。14過ぎに「帰ります」とスタッフに告げて引き上げた。「早やあ!どうしたんですか?」とスタッフの方も驚いていた。「無性に本が読みたいんです」と言っても通じないので苦笑いするしかなかった。

 本はあらかじめ3冊買ってある。最近はまっている朝井まどかさんの『恋歌』(講談社)、新聞の書評欄で興味を持った奥泉光さんの『東京自叙伝』(集英社)、おなじみの有川浩さんの『明日の子供たち』である。朝井まどかワールドにずい分ひたってきたので『恋歌』はもう少し後にしておこうと思った。かといって未知の奥泉光ワールドに分け入る気分でもない。自然となじみの有川浩さんの最新刊である『明日の子供たち』に手が伸びた。

 「幻冬舎創立20周年記念特別書下ろし作品」という帯の文字にも引かれた。丁寧に心をこめて書かれ、つくられたということが装丁を含め本全体から感じられるのである。電子書籍にはこのような本の持つ独特の雰囲気というものはない。
 もくじを見た瞬間に心をつかまれた。400ページ余りの長編である。当分は有川浩ワールドを楽しむことになる
コメント
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