戦前の木造の町屋が残る米屋町の町並に、唯一当時のまま現存する明治~大正期の煉瓦造の洋館建築です。
赤と白に分割された煉瓦の外見も特徴的ですが、内部にはステンドグラスや中国製のタイル、暖炉など当時のまま残されています。
竹のステンドグラスの作風などから、設計意匠に武田五一が関与したのではないかと言われています。
■石原美術(旧日下部合資会社事務所)/岐阜市米屋町24
竣工年:大正2年(1913)
設計:武田五一?(諸説有り)
構造:煉瓦造屋根裏付き地上2階、地下1階
■3階の屋根裏部屋の張り出した窓が特徴的。
2階の縦長の窓の上部にステンドグラスが見えます。
■縦溝の入った大理石の柱にイオニア式柱頭をデザイン化した立派な玄関
■玄関ホール
階段のデザインには明治~大正の洋館らしさが漂います。
■玄関ホールのステンドグラス
館内には玄関ホールの2箇所のステンドグラスの外に、菊や藤、ツバメやフクロウなど多数のステンドグラスが現存しています。(1階は画廊のギャラリーになっており、玄関ホールの見学撮影は快く許可していただけました)
竹をモチーフにした和を感じさせる清々しいデザイン
渦巻き模様が特徴的なこれも和風のデザイン
岐阜市は美濃地方の中心地として古くから栄えましたが、明治の濃尾大震災と昭和の大空襲で壊滅的打撃を受け、戦前の近代建築は数えるほどしか残っていません。
石原美術はその中でも名和昆虫研究所記念館と並び洋館らしい雰囲気を持った建物で、岐阜市の貴重な明治~大正期の近代建築として、これからも現状のまま末永く保存活用されることを願います。
今度岐阜に行くので探してみたいです。
玄関ホールとステンドグラスはぜひ見てください。