かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

映画「剱岳・点の記」ロケ地~犬山市明治村

2009-07-04 | 明治村散歩

 新田次郎原作の「剱岳・点の記」が映画化され、犬山市の博物館明治村でロケが行われました。
映画のほとんどは剱岳を中心とした山岳シーン(木村監督の撮影が素晴らしい)ですが、舞台が明治40年頃という設定なので、当時の陸軍関連の建物や、主人公夫婦の住宅、SLや市電のシーンが明治村で撮影されています。
 犬山在住の近代建築ファンとして、映画に登場する明治村の建物を分かる範囲でご紹介したいと思います。

■北里研究所本館・医学館/大正4年

映画では主人公の測量官、柴崎芳太郎(浅野忠信)が勤務する陸軍参謀本部陸地測量部の建物として使われています。
映画の冒頭、柴崎はこの建物の一室で上司の陸軍のお偉いさんたちに、前人未踏の剱岳の山頂に三角点埋設と言うとんでもない至上命令を受ける。


柴崎が日本山岳会の小島烏水(仲村トオル)とすれ違う廊下。
この場面ではまだお互いの存在を知る由もないが、後に剱岳初登頂を争うことになる。


■京都市電/明治43年~44年製造

柴崎が通勤に利用している都電の設定。写真の京都七條駅を柴崎の自宅近くの神田の停車場に見立て、妻の葉津よ(宮崎あおい)が夫の帰りを出迎えるというシーンが撮影された。


■森鷗外・夏目漱石住宅/明治20年

柴崎夫婦の新婚家庭。撮影は実際の部屋をそのまま使用。
浅野忠信と宮崎あおいが、いかにも明治時代らしい初々しい夫婦を演じている。


■第四高等学校武術道場「無声堂」/大正6年

柴崎が剱岳登頂のアドバイスを受けに測量部OB古田盛作(役所公司)を訪ねた弓道場。
建物は柔道、剣道場で、一番奥に弓道場がある。


■幸田露伴住宅「蝸牛庵」/明治初年

測量部OBの古田の自宅も登場するが、外観が写らず未確認。(たぶん幸田露伴住宅では・・・)


■三重県尋常師範学校・蔵持小学校/明治21年

柴崎が古田を訪ねる(二回目の訪問)図書館?の設定。建物をバックに剱岳登頂について相談する。


■SL東京駅

柴崎が列車から降り立つ富山駅プラットホームとして使用。柴崎が乗車する蒸気機関車も村内で動態展示されている100年前の現役のSLが使われている。ここで案内人の宇治長次郎(香川照之)と初めて出会う。
富山駅の正面からの撮影は、富山地方鉄道の岩峅寺駅が使われている。


■三重県庁舎/明治12年



陸軍のお偉いさんのいる司令部として使用。柴崎の剱岳登頂の知らせを、柴崎の直属の上司である玉井大尉(小澤征悦)が報告に走るシーンで使われた。
しかし剱岳の頂上には柴崎たちが思いもかけないあるものが待ち受けていた・・・・以下映画をご覧ください。


 新田次郎の書く山岳小説は昔から大好きでした。以前映画化された新田作品では、「八甲田山」が忘れられません。
 今回の作品も同じカメラマン木村大作がメガホンを取り、剱岳の自然の美しさと厳しさをストレートに見せてくれます。ほとんどが現地の山岳ロケで、昨今流行のCGは一切使われておらず、本物の山の美しさが大スクリーンで堪能できます。
 ちなみに少しだけ出てくる建物のシーンも、セットではなく明治村などでロケをした本物の近代建築が使われています。



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