続いて、「書状 三日付」(本阿弥光悦筆、紙本墨書、28/39cm、一
幅、千葉・成田山書道美術館所蔵)は、近江国・膳所に下向する日を問い
合わせ、挨拶に伺いたいと伝えた書状。日付は12月(極月)3日で、6日
には来客があるため、7日から12日の間に参上したいと述べている。
宛名がないため不明であるものの、元和7年から寛永11年に膳所藩
主であった菅沼定芳の関係者か。本書上はかなりくだけた文体である
ことから、藩主宛ではないと考えられる。
この筆跡は、光悦最晩年の特徴があり寛永年間のものと考えられる。
筆線の震えは穏やかさが伺える。一文字目の“膳”の偏が太く潰れたこ
ともかまわず筆を進めており、墨継ぎからほどなく筆がかすれ始めて
おり、筆の速度も落ちていることが判る。
しかし、字間が広くとられのびのびとした印象を与えており、老境
を自覚した姿勢が書風に現れている。
TNM(台東区上野公園13-9)
幅、千葉・成田山書道美術館所蔵)は、近江国・膳所に下向する日を問い
合わせ、挨拶に伺いたいと伝えた書状。日付は12月(極月)3日で、6日
には来客があるため、7日から12日の間に参上したいと述べている。
宛名がないため不明であるものの、元和7年から寛永11年に膳所藩
主であった菅沼定芳の関係者か。本書上はかなりくだけた文体である
ことから、藩主宛ではないと考えられる。
この筆跡は、光悦最晩年の特徴があり寛永年間のものと考えられる。
筆線の震えは穏やかさが伺える。一文字目の“膳”の偏が太く潰れたこ
ともかまわず筆を進めており、墨継ぎからほどなく筆がかすれ始めて
おり、筆の速度も落ちていることが判る。
しかし、字間が広くとられのびのびとした印象を与えており、老境
を自覚した姿勢が書風に現れている。
TNM(台東区上野公園13-9)