次は、上部が「古今和歌集断簡(本阿弥切)」(平安時代、伝小野道風
筆、彩䇳墨書、16.3/27.1cm、一幅、京都国立博物館所蔵)、下部が同
じく「古今和歌集断簡(本阿弥切)」(同、15.8/29.7cm)は、光悦が愛蔵
したと伝わることから「本阿弥切」と通称される古筆切。
元は舶載の唐紙に書写された古今和歌集の小ぶりな巻子本で、全20
巻の内巻10の残巻と11の残巻を継いだ1巻と、巻14の大部分を残す1
巻を光悦が所持していた。筆者は平安時代の三蹟の一人、小野道風と
伝承されるが、その書風は道風の時代から下り、平安時代院政期のも
のと推定される。
光悦が道風の筆跡に関心を持っていたことは「寄進状」(京都・本法
寺所蔵)のとおりだが、光悦の書風が本阿弥切から影響を受けたかどう
かは定かでない。ただし、本阿弥家では平安古筆の蒐集が盛んとなり、
その中に本阿弥切のような唐紙の調度手本が数多くあったことは確か
なようだ。
TNM(台東区上野公園13-9)
筆、彩䇳墨書、16.3/27.1cm、一幅、京都国立博物館所蔵)、下部が同
じく「古今和歌集断簡(本阿弥切)」(同、15.8/29.7cm)は、光悦が愛蔵
したと伝わることから「本阿弥切」と通称される古筆切。
元は舶載の唐紙に書写された古今和歌集の小ぶりな巻子本で、全20
巻の内巻10の残巻と11の残巻を継いだ1巻と、巻14の大部分を残す1
巻を光悦が所持していた。筆者は平安時代の三蹟の一人、小野道風と
伝承されるが、その書風は道風の時代から下り、平安時代院政期のも
のと推定される。
光悦が道風の筆跡に関心を持っていたことは「寄進状」(京都・本法
寺所蔵)のとおりだが、光悦の書風が本阿弥切から影響を受けたかどう
かは定かでない。ただし、本阿弥家では平安古筆の蒐集が盛んとなり、
その中に本阿弥切のような唐紙の調度手本が数多くあったことは確か
なようだ。
TNM(台東区上野公園13-9)