二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

8月 酔耀会(鍼灸手技療法勉強会) 参加

2010年08月30日 | 酔耀会(すいようかい)
8月18日(水)、酔耀会が開催されましたので参加しました。

暑い日が続いていますが、酔耀会のメンバーも日頃の臨床に、勉強に、心の中が熱く燃えたぎっていますので、この暑さも打ち消されてしまうくらい…だと思います

☆ 内 容 ☆

・症例報告:爪白癬に対する灸治療の症例
【太田(和)先生】
84歳 男性。大学での臨床経験からの症例。9年間も交通事故の後遺症による後頸部のコリを治療していた方でした。後頸部の治療もしていますが、今回はそれに4年前から内科医に爪白癬と言われ薬を処方されるが効果なく現在にいたり、太田先生がそこに注目し、爪白癬も治療していきましょう、ということで爪へのお灸を開始しました。手術は絶対にしないとのこと。写真も添付してあり、爪も相当変形していました。1年間行ったが大きな変化が得られなかった。
爪白癬に関しては灸治療が有効であるという報告も多々あります。しかし、今回は年齢的に84歳と高齢であり、爪の成長が遅いこと、高度な爪の変形があることで効果がみられなかったのではということでした。質問では「皮膚科に行っていないので、本当に爪白癬だけだったのか疑問」ということが言われ。なるほど、そうだと思われた。爪白癬だけで治療院へ来院する患者さまもあまりおりませんので、頭の隅においておけばいいかな~と、私は思うのでした。

・症例報告:腰部脊柱管狭窄症(LCS)と診断された症例に対する鍼灸治療
【豊島先生】
66歳 男性。左下肢の疼痛を主訴に来院。タイヤ交換で腰部から左下肢にかけての突っ張るような痛みと軽度のシビレ感を発症。20m歩行で痛み増強、しゃがんで休むと歩行可能となる(間欠性跛行)症状があり、整形外科では第4腰椎のすべり症が起因となる腰部脊柱管狭窄症と診断され、治療を受けるが改善されず鍼灸治療が効果があると考え来院。症状と体表所見などから、痛みやシビレ感の原因が各筋のトリガーポイントと腰部脊柱管狭窄症が混在しているものと把握して、太極的観点と局所に対し鍼灸治療を行った。8回の治療でほとんど痛みやシビレ感が消失した。
LCSと専門医で診断されてくる患者さまのうち、ツッパリ感様の痛みを訴える人は、実はトリガーポイントがある原因筋を治療することにより劇的に症状が改善する場合が多いということです。また、福島県立医科大学医学部整形外科 准教授の紺野慎一先生の資料を紹介、画像でLCSと診断するには限界があり、画像所見と症状パターンの一致もみられないということであり、問診が重要となるということでした。
そんなことを頭に入れ、日常臨床で最も多い腰痛や膝痛など疼痛疾患を診ると臨床の幅が広がり、比較的早期に効果が出るということでした。豊島先生の着眼点はなかなか鋭い所があるのですな~これが。


・学会発表練習:「後腹膜腫瘍」術後の体調管理としての鍼灸治療の1症例
【田中良和】
8月29日(日)に名古屋市で開催される、第28回生体調整機構制御学会での発表のための最終チェックということで、タイムを計測しての練習をさせて頂きました。内容が濃いので、どうしてもスライド盛りだくさんとなってしまい、時間(発表時間10分)をオーバーしてしまいます。アドバイスを受け、なんとか10分以内で収まりそうです。ありがとうございます。本当に練習の場があるということは、自分だけでやっているより「気づき」が多く、有り難いものです。これで自信を持って発表できそうです。

・実技:筋肉の触診 ~筋肉を触ろう!~
【粟 先生】
本日の触診する筋肉は、腸肋筋、最長筋、多裂筋。この脊柱周辺の筋肉が展開する場所は、兪穴といって、多くの重要な経穴(ツボ)が存在する場所でもあります。触りなれているようで、筋肉の起始・停止、筋肉の深さなどを意識しながら触っていくと、いつもと勝手が違う難しさがあります。それだけ、まだまだ半人前ということですな。意識して筋を触ることが大切であり、それを繰り返していけば、箸を使う時無意識に使うように、触診する時も無意識にそれぞれの筋を触ることができ、それが経穴(ツボ)を正しくとることができる大切な要因なのかもしれません。来月は広背筋です。予習しておこう!


勉強会が終わってみれば、午後1時過ぎ。
あまり遅くならないようにしていますが、何かと議論が白熱してしまいまして…
いいことですね

”満月はいけないという。我々はともすれば満足しようとし、欠けるものがあれば、それを満たそうと必死になる。しかし、満ちてしまえば後は欠けていくのが天の道理である。
自分に与えられた福を享受し尽くさないで、後に残しておく。あるいは、勢いや幸いをすべて使いきらないで、他に及ぼしたり、自ら不足をつくり出す。そうすれば、決して満ちることなく、福が保てる。これが「惜福の工夫」である。” ~幸田露伴の言葉~

私たちの仕事は一生勉強です。満足なんてのはないんですよね。与えられたものへ感謝することは大切ですが、満たされてしまうと、成長が止まってしいそうですね。衰退していくのか

来月も頑張ろうっと

二葉鍼灸療院 田中良和

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